Festival Report フェスティバル レポート 2019

【ダイヤモンドの輝き、DemaNToid(デマントイド)】

逆立ち日本一の「タク」とバランス・スペシャリストの「ナルミ」が繰り広げるアクロバティック・パフォーマンス。マッスルミュージカルで出会った二人が、DemaNToid(デマントイド)のデュオを組む。


デマントイドとは、1850年代にロシアで見つかったガーネットの一種。ダイヤモンドのように美しく輝いていたことから、デマントイド(オランダ語で「ダイヤモンドに似た」)と名付けられた。自分たちのパフォーマンスもダイヤモンドのように美しく輝くようにと、デュオの名前をDemaNToid(デマントイド)にしたとのこと。

タクの得意技は「バランシング・オブ・デス」。体操で鍛えた体脂肪率3%の肉体を極限まで駆使し、7メートルの高所で揺れるポール上での逆立ちパフォーマンス。特に、地面・風・太陽など自然の影響を受ける屋外でのパフォーマンスは、見てる方がはらはらドキドキ。


ナルミの得意技は「ハンド・ツー・ハンド」。身体と身体で支え合うバランス技は、二人の信頼関係がなければ成り立たない。


技が決まったときの二人の笑顔はそれこそ最高。是非とも、二人の緊張感あふれるパフォーマンスと素敵な笑顔を見に来てください!


(福)

2019フェスティバルレポート / アーティスト オン部門
2019/11/02 06:59 PM

刀に込める魂の姿は?/SAMURAI PERFORMERS syn

 まず、舞台に踊り出るのは、何とも情けない侍・YAMATO。縮れ頭をひっつめにし、やたらに低姿勢なしゃべり方が笑いを誘う。後から出てきたイケメンの後輩侍・SHINICHIの、たすきのかけ方一つに「カッコつけちゃってぇ。」と嫉妬をむき出しにし、勝負に負けそうになれば、5歳前後の”伝説の勇者”を恥じらいもなく担ぎ出し、「悪い侍を倒してください。」と懇願(こんがん)する。そんな姿を見たら、”侍”と呼ばれる人たちのハードルがグイグイと下がっていって、それまでは何気なくパフォーマンスを見ていた人たちだって、ついつい笑わずにはいられなくなってしまう。
 
 一方、そんな笑い中に差し挟まれるYAMATOの殺陣の解説は、常にそれとは真逆のベクトルを示す。「映像作品とは違い、編集が一切利かず、実際に刀を当てる殺陣の迫力は、大道芸だけが見せられるものです。」と重ねて語る通り、一対一の殺陣に臨むYAMATOとSHINICHIの眼には、笑顔の中にも”ガチの勝負”に挑む者だけに宿る、強い光が灯る。そうなったらもう、今度、観客は早鐘を打ち始めた心臓を押さえながら、その真剣勝負をただただ見守ることしかできないではないか。

 SAMURAI PERFORMERS synのパフォーマンスは、見る者をそんな上を下へのエンターテインメントに、問答無用で引きずり込む。ウィットの利いた、キレのあるYAMATOのトークと、口よりは刀で語るSHINICHIのキレのいい体捌きが、それを更にふくらませてゆく。



 遥か昔から日本人は、世界の国々の中でも抜きん出て、”刀”に祈りを込め、その魂を宿らせる民族だという。だが、彼らが刀に宿らせる魂は、通常の刀とは違い、決して人を傷つけない。そこにあるのは降りかかる苦しみに立ち向かう勇気、生き辛ささえ跳ね返す笑顔、自分のカッコよさも情けなさも引き受けて生きる強さ。つまりは生命力そのものだ。
 そんな力と魂を込めたメッセージを、最も強烈に伝えられるパフォーマンスは大道芸をおいて他にない、と二人は声を揃える。SAMURAI PERFORMERS synの、”syn”はシン、と読む。シンは『神』なり、『身』なり、『信』なり。『新』であり、 『真』であり、 『進』でもある。そしてその全ては最後には『心』のもとに統べられる―。
 
 約束しよう。

 二人のパフォーマンスに大笑いして、殺陣のカッコよさに気持ちがアガったその後には、また、明日が笑って迎えられそうな明るい気持ちが、胸のどこかに芽生え始めているはずだ。

(晴)

2019フェスティバルレポート / アーティスト ニューカマーズ部門
2019/11/02 06:57 PM

恋のはじまり/デュオ ユニティ

恋のはじまりを覚えていますか?恋人の顔をみるだけで、声を聞くだけで幸せだったあのころ。
あなたのパートナーにはじめて会ったあのころのことです。



デュオ ユニティの二人が紡ぎだすのは恋の物語。
それも、付き合いはじめたばかりで情熱的だったあのころの二人の物語です。
彼らの演技を見ていると出会い、高ぶっていく二人の感情、情熱におぼれそう。
そんな期待と不安が入り混じった幸せな瞬間を永遠に生きるのが彼らがつむぐ物語です。



彼らはそんな甘酸っぱい瞬間をシルホイールといわれる約2メートルの大きな輪を使って表現します。
このシルホイール、本来は一人で扱う道具ですが、デュオ ユニティの二人はこの幸福な瞬間を表現するために、3年以上の特訓を経て自由自在に扱えるようになりました。
二人乗りのシルホイールを扱えるのは世界で彼らだけです。



彼らの演技は本来、屋内のステージで行うもので、ストリートでのパフォーマンスは静岡が初めてという彼ら。
屋外の舞台はシルホイールを扱うには狭く地面もデコボコなのにまるで手足のように器用に動かします。
その動きはあまりにもしなやかで、美しく、あたかもアポロとビーナスが天空を舞いかけるようです。
幸せな恋人たちのきらめきが天から降ってくる。そんな気分にさせるパフォーマンスです。

恋を忘れてしまった人にこそ、ぜひみていただきたい舞台です。
きっと、あの時の情熱を思い出すことでしょう。

最後に、デュオ ユニティの二人からメッセージをいただきました。



ワーォ静岡!静岡のみなさんは本当にすてきです!感謝の言葉しかありません。フランシス
温かい歓迎をありがとう! レア

(Y.K.Kobayashi)

2019フェスティバルレポート / アーティスト ワールドカップ部門
2019/11/02 06:47 PM

俳優からパントマイマーに/山本光洋

11月2日青葉通りにいた一人のパントマイマー。山本光洋の周りは、不思議な空気と笑いで囲まれていた。

彼は、もともと俳優で体を柔らかくするためパントマイムを始めた。なんと、ニューヨークでパントマイムを学んだ凄もの。30年以上パントマイムで人を魅了してきた大ベテランでもある。海外でも呼ばれるようなアーティストだ。この人は、とにかく凄かった。

彼のパフォーマンスは、たくさんの劇に分かれておりその劇一つ一つにユニークさとユーモアを感じる。トークしなくてもトークしても彼のパントマイムは、人に惹かれるような作品だらけだ。

山本光洋のパントマイムの魅力とは、やはり笑わせてくれるところだ。彼の動きは、表現豊かでワードチョイスも凄くうまい。観客を自然に自分のパフォーマンスにひきつけ、観客と一緒に人を笑わせる力も圧倒的。私が見てきた中で一番うまいといっても過言ではないだろう。


もっと語っていたいがこれで終わりだ。「あれ、これで終わり!短いなー。もっとパフォーマンスのこと知りたいなー」と思う人もいるだろう。
山本光洋は、和やかに笑って「言葉で見るじゃなくて、目で見てね!!」といっていた。魅力を理解するには、実際見てみないとわからないことを強調していたのだ。(M.K)

2019フェスティバルレポート / アーティスト オン部門
2019/11/02 06:09 PM

魔界出身のドラゴン「ヒョウガ」!/ジャグリングドラゴン ヒョウガ

魔界から来た正真正銘のドラゴン「ヒョウガ」が繰り広げるコミカルなジャグリング。魔界で最高位の魔界大王よりもジャグリングが上手く、人間と友達になるために人間界に来てジャグリングを披露。でも、人間界では時々ミスするお茶目な一面も…。


今年は「ダンシング・ドラゴン」と言う大技を編み出し、自信を持って大道芸ワールドカップに参加。


静岡は、人も、気候も、食べ物も大好き。でも、暑さに弱く夏が苦手なため、生息地域は北は北海道から南は徳島までに限られる。

とても愛らしい「ヒョウガ」のパフォーマンスをご覧あれ!

(福)

2019フェスティバルレポート / アーティスト ニューカマーズ部門
2019/11/02 06:04 PM

魅惑のステージ プレミアムナイトショー!

一流アーティストが屋内ホールで渾身の技を披露するスペシャル・ステージ。毎回出演者が変わる上、進行もアーティストがするという珠玉のナイトショー。

11月1日(金)のステージは、

【レ モルディヴズ】
フランスから来たコメディアン・ペア。本格的なジャグリングとアクロバットを武器に、ニヤリと笑いを誘う独特のスタイル。


【チャーリー ケーパー】
スウェーデンから来たイケメン・マジシャン。ボトルを使ったマジックやロボットとの掛け合いマジックで、観衆を魅了。


【吉川健斗】
日本の本格ジャグラー。赤い大きなボールを同時に6個操るなど、純粋に技を追求する本格派。


【デュオ ユニティ】
カナダとオランダのデュオ。身長ほどの大きなホイールを自在に操り、二人の夢のパフォーマンスを繰り広げる。


【ケロル】
昨年のワールドカップ・チャンピオン。スペインから来たヒューマン・ビートボックス。観客を巻き込むパフォーマンスで、舞台と客席が一体となる。


進行は、【セオッピ】の司会に、【りずむらいす】と【ホワイトアスパラガス】の即席カルテットが寸劇で絡むという凝った趣向。


4日間で異なる11のプログラムが繰り広げられる『プレミアムステージ』。是非とも、一度、足をお運びください!


(福)

2019フェスティバルレポート / その他
2019/11/02 05:39 PM

「ダメじゃん」小出?いやいや、めっちゃ「イイじゃん」小出!/ダメじゃん小出

きわどいジョークでうわっと場を盛り上げるのは、ぶっつけ本番、言葉で一期一会の笑いを巻き起こす「ダメじゃん小出」
彼の芸は、マジック、風船アート、ジャグリング。いたって普通かと思いきや、そんな微妙な反応を示す観客とのやり取りで、会場に大爆笑を巻き起こす。



観客をステージ上に呼び込んで、「面白いネタを考えてください。」って自分は何もしないんか~い!
そんな感じでお送りする台本なしのどきどきコメディーは突っ込みどころ満載!腹筋崩壊間違いなし!!



ダメじゃん小出は今年で芸暦29年目の51歳。大道芸人になる前はなんとエンジニア!20代のときに観たサーカスから刺激を受けてジャグリングをはじめたらしい。でもはじめのうちは失敗の連続!
投げてるより拾っている時間のほうが長くて、言い訳しまくり!気づいたら、手よりも口が達者になっていて、今の言葉のアートという芸風にたどり着いたらしい。
いやそれ言っちゃ「ダメじゃん!」っていうようなブラックジョークで観客を魅了し、めっちゃ「イイじゃん!」な小出ワールド創り出していく。
「ダメじゃん」という芸名の由来はというと、それは「語感」らしい。ダメじゃんが一番しっくり来るからという理由は、なんとも、小出の自虐的なセンスが現れている。



インタビューの最後に、「今大会での盛り上がり、すばらしいですね。」と尋ねたところ、
「まあ、先にお金配ってましたから、どっかの大臣さんみたいに。(笑)」とまた、きわどいジョークで場を盛り上げることを忘れない。
そんなジョークマシンガンの引き出しの多さ(奥行きはないと自虐してらっしゃいましたが笑)には、驚かされます。
ダメじゃん小出の一期一会の笑いは必見です。



T.U

2019フェスティバルレポート / アーティスト オン部門
2019/11/02 05:36 PM

若き鬼才憧れの静岡へ/大道芸人ハンド

「手拍子ください、クラップクラップ!」
17歳という若さでありながらも巧みなジャグリングやこまで観客を魅了する大道芸人 ハンド。
大道芸はみんなの拍手でできていると話す彼は観客も巻き込んで笑いあり驚きありのパフォーマンスを見せてくれた。

ハンドさんがジャグリングに興味を持ったのはなんと7歳のとき。
両親に連れられやってきたこの大道芸ワールドカップin静岡でのパフォーマンスに影響されたのだという。それ以来、毎年欠かさず見に来る常連の観客だったが、今年とうとうアーティストとして憧れの舞台にやってきた。
「初めての出場で緊張してるんです」と笑いながら語っていたが、熟練の技術と持ち前のトーク力に、貴方の目もあっという間に釘付けになること間違いなし。


大道芸を始めたころから変わらない愛用のつなぎはフェスティバルのときにしか着ない母の愛がこもった一張羅。年一のフェスティバル用に毎年ずっと作ってきてくれたそうだ。
黒の生地のいたるところにHANDとワッペンが付けられた衣装は技のかっこよさだけでなく愛着の沸く可愛い印象も生んでいる。母の見立てに間違いなしというところだろうか。
ハンドさんにとって、この大会はほか比べて特別思い入れがあるからか、彼にとってとても大きいものとなっているようだ。


小学校のころは地域のイベントなどで活動していたため、本格的にパフォーマンスを始めたのは中学生になってから。
駆け出しのころは少し大変だったというが、今は大変さよりも楽しさのほうが勝ってるようで、パフォーマンス後も終始ニコニコと笑顔が絶えなかった。
幼いころから着実に歩んできた努力の道は確かに彼の糧となっていることがわかるほど観客の掴みもうまく、場慣れした様子だった。

実はハンドさんは将来を大道芸一本に絞るという大きな決断を下している。
思い切った行動の裏には同年代の人よりも早く始めたから、先にぶっとんだことをやらないと「プロになれない」という決意の色が強く見えた。
「死ぬまで続ける」と意気込むハンドさんはこの先も見逃せない大道芸人の一人となってくるのではないか。


最後に大道芸ワールドカップのお客さんに何かメッセージをお願いしたところ、
「いつも見ている芸人さんでも静岡のほうが気合が入っていて、だからこそパフォーマンスを見れるのはすごいラッキー。絶対いいショーができるから来て楽しんでほしい」
と力強く語ってくれた。パフォーマンス後も笑顔が絶えず、終始気合十分のようで残り二日間のパフォーマンスも見逃せないものとなってくるだろう。(夕日)

2019フェスティバルレポート / アーティスト ニューカマーズ部門
2019/11/02 05:33 PM

超人的なバランス感覚が持ち味、息ピッタリの二人組み。まさに「スーパーマン」!/ジャグルマン&DGマン

韓国からお越しの二人組み、結成二年目「ジャグルマン&DGマン」。実はこの二人、師匠と弟子の関係なのだそうだ。
彼らは、韓国と中国を中心に活動をしており、静岡でのパフォーマンスは初めてだった。
彼らは、2016年と2017年に「大道芸 WORLD CUP in SHIZUOKA」を観に来ており、それを受けて今回の参加を決めたという。


パフォーマンスの前半は、曲に合わせた二人の息ピッタリなバランス技が繰り広げられる。それに加え、リズムに合わせた二人のコミカルな動きもクセになる。
それに合わせて観客の手拍子も盛り上がり、会場全体が一体となった。
小道具がたくさん登場するのも注目のポイントだ。中でも、手作りの服と靴を身に着けた人形である。
注目のパフォーマンスは、長さ5メートルの棒やマイクスタンド、さらには、火のついた長い棒でさえも全て顎の一点だけで支えてしまうというものだ。
もはや、支えられないものなど存在しないのではないかと思わされる。



パフォーマンスの後半は、師匠ジャグルマンによる圧巻のバランス技が見所となる。
彼は急に服を脱ぐと、あの大人気キャラクターに変身する。彼はそのキャラクターが大好きだという。
その姿で披露するジャグリングは、土台といい、高さといい、少しの失敗も許されないような場所でのものとなっており、とてもスリリングだ。
すさまじい彼のバランス能力は、練習によって身に着けたものだという。計り知れない努力があったに違いないということは想像に難くない。まさに、見ものである。



さいごに、彼らに静岡の観客の印象を聞いたところ、「みんな笑顔で観てくれるのでとても助かります。」とのことだった。明日もパフォーマンスをする予定なので、
ぜひ手拍子などで会場全体を盛り上げていきたいところだ。

T.T

2019フェスティバルレポート / その他
2019/11/02 05:32 PM

加納ワールド/加納 真実

演技開始の2時間前から、たくさんの人がステージ前に並んでいる。
彼らが待つのは加納真実だ。

どこか聞き覚えのあるレトロなミュージックと共に、独特な世界観を展開する。
くたびれた青いジャージ姿で現れた彼女を前に、1分と経たずして自然と手拍子が始まった。


パントマイムを始めた彼女は、2003年から大道芸ワールドカップに10回以上出演しているという。
クセになるファンも多く、まさに”加納真実中毒”状態だ。
小道具が壊れてしまうハプニングさえも笑いに変えてしまうほど、気づけば観客は彼女に虜になっている。

時にシュールなマイムを、時に観客を巻き込んで一緒にダンスを。
指の先から顔の表情まで全身全霊で表現される、加納真実の自然体を見逃すな。


(まり)

2019フェスティバルレポート / アーティスト オン部門
2019/11/02 05:14 PM
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