Festival Report フェスティバル レポート 2023

チャンピオン・サンキュー手塚再臨

 コロナウイルスの影響も落ち着き、チャンピオン・サンキュー手塚さんがこの大道芸ワールドカップin静岡に戻ってきました。

 今日の天気と同じくらい熱い心を持ったお客様の応援の中で、予想通りのパフォーマンスができて良かったとのこと。今のメディアの流行から、親子のやり取りを笑いに変えた演技と思ったら、手作りの小道具を使い、一人の男性の一生をノーサイドとして表現することで感動を与えたりと新しい手塚ワールドを感じることができました。

 若い方だけでなく年配のお客様にもわかりやすい内容で楽しんでほしいという手塚さんの思いが皆さんに伝わり、会場の流れも楽しく進んでいきました。





 まだ手塚さんのパフォーマンスを見ていない方、ぜひこの大会でご覧になってみてはいかがでしょうか。見て損はないですよ。

(文/たか、フォト/Ume)

2023フェスティバルレポート / アーティスト 歴代ワールドカップチャンピオン
2023/11/02 10:07 PM

炎が描く悲恋の物語 / めりこ

 めりこが演じる八百屋お七という作品は、江戸時代に恋人に会いたい一心で放火事件を起こし火刑となった女性の話であり、その悲恋の物語とポールダンスに組み合わせて演じるめりこの妖艶さに魅了され、ここ静岡でファンになった方も多いはず。というのも大がかりに炎を使うこの作品は、中々演じられる環境がなく、今まではこの静岡で披露することが多かったという。

クレジット:渡邊翼

 火がテーマになっているように、めりこが操る炎は一度燃え上がると徐々に勢いを増していき、やがてその身まで焦がすかのように強く燃える。彼女の周りで炎は様々な表情を見せ、それはまるで悲恋の様子を表しているようにも見える。

 炎の熱と共に、彼女の感情と身体表現も熱を帯びて加熱していき、めりこの細身から溢れる力強い一挙一動から目が離せなくなってゆく。

 めりこの演じる八百屋お七は「静岡のお客さんと共に育ってきた作品」と本人がいうように、今年の静岡では彼女の内で燃え上がる炎はずっと強くさらに熱くなっている。

クレジット:渡邊翼

(記事・写真/つばさ)

2023フェスティバルレポート / アーティスト オンステージ
2023/11/02 09:24 PM

優しい、楽しい、ワンマンバンド! / 油井ジョージ ワンマンバンド

 「油井ジョージ ワンマンバンドのメンバーを紹介します!」
 ドラム担当、油井ジョージ!
 ギター担当、油井ジョージ!
 ハーモニカ担当、油井ジョージ!
 シェイカー担当、油井ジョージ!
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 油井ジョージは10種類の楽器をたった一人で同時に演奏するワンマンバンドアーティストだ。アニソン、バラード、ダンスナンバーなど誰もが知る曲で、会場を盛り上げる。

 「ワンマンバンド」を始めたきっかけを聞いてみた。元々、ライブハウスでドラムを演奏していたが、ライブハウスに来るお客さんは、ほとんどが若い世代。子どもたちや車いすの方々はどうしても入りずらい。誰でも演奏を聴いて楽しんでもらいたいと考えた結果、「ワンマンバンド」というスタイルになったそうだ。

 曲に合わせて手拍子をする観客は、子どもから大人までとっても楽しそう。彼の優しい思いがあふれるステージだと感じた。



 彼はステージで即興ソングも披露してくれた。即興ソングは回数を重ねると、彼の曲として確実なものに変化していく。

 初めて見ても、何回見ても、優しくて楽しい『油井ジョージ ワンマンバンド』のステージをご覧あれ!

(文/しんしん、写真/梅)

2023フェスティバルレポート / アーティスト オンステージ
2023/11/02 08:57 PM

秋空に音色響くケン玉アーティスト / リューセー

 もっともポピュラーなケン玉のイメージとして、紐がついたものが思い浮かぶ。しかし、リューセーの手にかかれば、そのポピュラーなケン玉も異次元の動きを見せる。

 彼は日本の沢入国際サーカス学校で磨き上げた技術に、海外での公演経験などを経て、ケン玉の新しい可能性や魅せ方を追求してきた。糸の動きの一つ一つに、彼のケン玉愛とこだわりが垣間見え、それが溢れているのか彼の演技は楽しそうに遊ぶ少年のようにも見える。

クレジット:渡邊翼

 カラッと晴れた秋の澄んだ空気の中で、ケン玉の「カコンッ」という音が音楽に合わせて響き、自然と客席から手拍子が始まる。糸がついたケン玉だけではなく、多様なケン玉を用いて刻んでいく心地よいリズムと動きに観客は息を飲み、リスクのある大技が決まる度に安堵と驚きの大きな歓声を上げていた。

 静岡出身のリューセーにとって、大道芸ワールドカップは憧れの舞台であり、演技後のインタビューではステージから見る風景は夢見ていたよりずっと凄かったとのこと。

 中性的なしなやかさと、力強い技をケン玉に組み合わせた新世代のアーティスト。決まっても失敗しても、ケン玉をする事を本当に楽しんいる少年のような彼のキャラクターにも注目してほしい。

クレジット:渡邊翼

(記事・写真/つばさ)

2023フェスティバルレポート / アーティスト オンステージ
2023/11/02 08:31 PM

A Chi Chi A Chi 燃えてるんだろうか!? / Performer SYO!

 イケメン・ジャグラーのPerformer SYO!。得意技はジャグリングとポールアクロバットのふたつ。

 ワールドカップ初日の今日は、ステージ構造の関係から先ずはジャグリングのみのご披露。でも、明日からは得意なポールアクロバットを加えてフルパフォーマンスすると、初日から既に意気揚々。

 20歳代ながらSYOの大道芸歴には驚嘆。8歳からディアボロ(中国コマ)ジャグリングを練習し始め、10歳で早くもプロのステージに立つ。2015年にはタイで行われた国際大会で、2019年には韓国の大会でそれぞれ優勝。若くして世界チャンピオンに2度輝く実力派。

 それでも既存の技術に飽き足らず、今では本物のチェーンソーを、しかもチェーンをブンブン回転させたままジャグリングするという荒業を習得。来年の今頃は何をジャグリングしているのか今から興味津々。

 今日はパフォーマンス中、何度かディアボロを落としてしまう。しかし「僕はやれば出来る子。お母さん、僕を見守っていてください!」と空に向かって祈り、再々々々挑戦。

 実はご健在のお母さんの力が届いたのか最後にしっかりとパフォーマンスを決め、観客から万雷の拍手を引き出すパフォーマンス&トーク力には思わず脱帽。受け狙いで本当はわざとディアボロを落としていたのではとの憶測もちらほらと出る程の出来栄え…(笑)。

 今日の圧巻は、火が付いた棒をグルグル回すファイヤージャグリング。激しく燃え盛る炎を巧みに扱いながらも、正に郷ひろみがA Chi Chi A Chiと叫ぶGOLDFINGER '99状態を彷彿。最後は口から大火炎を噴き出して観客の度肝を抜くというダイナミックなパフォーマンス。



 大道芸ワールドカップin静岡には14歳の時に初出場。第30回記念大会となる今年で10回近く出場したことになるという。静岡のファンのみなさんには、「今年はこれまで以上のパフォーマンスを目指します。今日お見せ出来なかったポールアクロバットのパフォーマンスにはぜひご期待ください!」とのこと。

 二日目以降もPerformer SYO!から目が離せません!

(福)

2023フェスティバルレポート / アーティスト オンステージ
2023/11/02 07:29 PM

11月2日、しずぎんホールユーフォニア / 大道芸スペシャルステージ

 11月2日、しずぎんホールユーフォニアにて11時から行われた「大道芸スペシャルステージ」。そこでパフォーマンスを披露していた天平さんにインタビューをさせていただくことができました。

 今回は桔梗ブラザーズさんお二方とのコラボレーション。デビルスティックとディアボロなどを使ったジャグリングを披露していました。また、合間には天平さんによるマジックも。

 今回の演目は元々あったものにアレンジを加えて作られたもので、コラボレーションで披露した演目は1ヶ月かけて作られたとのこと。天平さんと桔梗ブラザーズさんは長い付き合いがあるようです。インタビュー中もエピソードが出てきており、仲の良さが伝わってきました。

 今回の演目は屋内で行うので、屋内の良さを生かした演目になっており、光を使った演出でとても楽しく見ることができました。

 お三方とも華々しい受賞履歴を持つ方々で、技術はもちろんのこと合間のMCもとても面白く、あっという間に時間過ぎていくような演目でした。

 彼らのパフォーマンスを見ることができるのは、次の通りです!

 11月3日(金) 午前の部(11:00~13:00)
 11月4日(土) 午前の部(11:00~13:00)

 「大道芸スペシャルステージ」では、どの演目もまるで魔法がかかっているかのようなパフォーマンスを見ることができるので、ぜひ足を運んでみてほしいです。

 なお、天平さんは「スペクタクルショウ Spark!」にも出演されます!

(はち)

2023フェスティバルレポート / その他
2023/11/02 05:13 PM

ショーをする上で大切にしていること。 / ニーニョ・コストリニ

 ニーニョ語ともいえる彼独自の言語を話しながら、彼は観客達の中からふらりと現れる。その言葉は理解できなくとも、彼はその場に居合わせた観客一人ひとりを注意深く観察し、即興でその場限りのセッションを始める。

 彼のショーをきっかけに偶然居合わせた観客達。しかし段々と笑い声が上がり、次第にその声は大きく、ひとつになっていく。

 人を笑わせること。それには言葉は重要ではないと思わせてくれる。彼がステージに上がる頃には、もうすっかり観客はニーニョ・コストリニの作り上げた世界の虜だ。

クレジット:シノハラ

 彼は自分のショーに参加してくれる皆がヒーローになるように、観客と共にショーを作ることを心掛けているという。一期一会の人たちがたまたまその場に居合せ、共に楽しさを共有する大道芸という文化とそれは共通していて、とてもしっくりくる。

 もちろん劇場でも同じことが言えるが、大道芸も劇場でもショーをするという彼はそのどれもを愛し、一つ一つの機会を楽しんでると言う。

 以前にワールドカップチャンピオンに輝いてから幾度となく静岡に来てくれ、久々に静岡に帰ってきたニーニョ。大道芸ワールドカップin静岡について聞いてみると、「静岡にまた来ることが出来て本当に嬉しい。あれからコロナなどで色々な事が変わってしまったけど、僕のショーをここですることが皆が外に出て笑顔になるきっかけの一つになれば良い」。

 ニーニョ・コストリニと共に生み出す唯一無二のユニークな世界に参加してみよう。それが日々めまぐるしく変化する今の時代に、あなたの心に残り続ける素晴らしい機会になるかもしれない。

クレジット:渡邊翼

(記事:つばさ/写真:シノハラ)

2023フェスティバルレポート / アーティスト 歴代ワールドカップチャンピオン
2023/11/02 05:09 PM

今という時間を大切に / Ray麗

 青空の下、時刻は昼の12時を回った。

 駿府城公園の中心部に舞い降りたのは、和装のドレスを身にまとった可愛らしい姿のバルーンアーティストRay麗さん。雅な音楽が流れ、ステージスタート!

 「作品ができたら、一斉に拍手お願いします!」という声とともに、なんと後ろ向きで背中で作品をつくりはじめるRay麗さん。



 まさかの技に観客の方々は、暑さなどそっちのけ。完全に釘付けに。

 「完成まで、3!2!1!」

 できたのはかわいらしいプードル!みな一斉に大きな拍手を送ります。一気に会場が一つに。

 「おかえりって声が聞こえて泣きそうになりました」とパフォーマンス後に話していたRay麗さん。

 Ray麗さんにとって、この大道芸ワールドカップはバルーンアートをするきっかけになった、思い入れのある場。コロナが明けた大道芸ワールドカップの場は、「お客さんはみんな待っていたんだ、大道芸を。」そう思わせるものだったそうです。

 そこからはRay麗さんの華麗なパフォーマンスの連続。テンポの速い音楽とともに、素早い動きで一気にバルーンを組み合わせ、形をつくっていく。しかし、ただ手元を動かすだけではない、体全体を使ったパフォーマンス。作っている途中の作品を観客に見せながらのパフォーマンスは、なにができるのか考えさせます。

 Ray麗さんのパフォーマンスの見どころで外せないのは、実際にバルーンをもらえるというところ!拍手をたっくさんしたら、とてもかわいらしい形の作品を手にすることができるかも!?観客たちはRay麗さんの作り出す、まさに「舞台」に誘われていきます。

 そして最後は、2018年「Twist & Shout 2018 in Las Vegas」で優勝したパフォーマンスを披露。まさに圧巻。その一言につきます。

 Ray麗さんは自身のパフォーマンスについて「バルーンはしぼんで、割れて、なくなって…はかないものです。私はこのパフォーマンス通して、皆様に生きているのはいましかない、今っていう時間を大切にしてほしいという思いが伝えられたらと思います」と語っていました。

 そんなRay麗さんのパフォーマンス、ぜひ会場にてご覧ください!


2023フェスティバルレポート / アーティスト オンステージ
2023/11/02 04:31 PM

光洋ワールド全開!! / 山本光洋



 夏の日差しかと疑うような暑さの中、青空の中で笑い声が響いていた。

 今回の参加は実に4年ぶりである山本光洋さん。光洋ワールドで名を馳せる彼が大道芸ワールドカップへ4年ぶりに帰ってきた!

 私たち取材班は、記念すべき4年ぶりであり第一回目の舞台を見ることができた。たくさんの小道具で溢れ、舞台ではいろんな技が炸裂し、いつの間にか彼のパフォーマンスに引き込まれていく。

 開始早々突如現れた不思議な犬の人形。子供たちはすぐさまその犬の虜になっていた。観客を巻き込んで不思議な犬は会場を右へ左へ猛ダッシュである。たくさんの子供達や観客に囲まれて、パフォーマンスは笑いに包まれていた。

 コロナ明けでやっと本格的に再開できた大道芸。30回目を迎えた大道芸ワールドカップin静岡について伺うと、様々な事情があるとは思うが続けて欲しいと正直に伝えてくれた。

 パフォーマンスの一つ一つが、少し小道具を変えることで途端に新しいものに変化していく。操り人形に一瞬で変化し、テーブルクロス引きや頭の上で華道を披露したりと、どれも見逃せない大技だ。

 久しぶりの参加で緊張していたが、「お帰りなさい」そう言わんばかりの会場の温かい拍手には彼自身もぐっとくるものがあったという。コロナの影響で、中々接近してパフォーマンスをすることが難しくなっていた今日この頃。久しぶりに思い切り観客の人たちに関わることができたそうだ。

 新しい技を考えるときには、いつも遊びから派生して生み出している。たまにはお客さんからいただいた声を参考に生まれるパフォーマンスもあるそうだ。ちなみに最近始めた新しいことは、スープカレーとそば打ちだそう。

 これからもどんどん新しいことに挑戦し、観客に笑いを届けてほしい。

2023フェスティバルレポート / アーティスト オンステージ
2023/11/02 04:16 PM

2006年チャンピオン、アランシュルツ登場!

 出だしは特大ビーチボールを客席に投げ込んでのコミュニケーションで始まった。



 慣れてきた観客の皆さんが上手にボールを返せるようになった頃、その特大ビーチボールでジャグリングをして見せる。

 途中、9年前に結婚した奥さんのベロニカが、フットジャグリングで4枚の四角い座布団状のものを両手両足で回転させる妙技を披露してくれた。



 次はアランが素晴らしく速く、キレのいいステップで超高速のバウンスボール9個の早ワザを披露して館内を沸かせた。



 アランは最高12個のバウンスボールをパフォーマンスしたことがあり、多分、ワールドレコードかもしれないと語っていた。

 8度目の静岡はコロナの中断でのブランクがまったく感じられず、観客の皆さんの熱い思いが伝わってきた、と語っていた。

 運が良ければ、またベロニカのアクロバティックなフットジャグリングもアランのスーパーテクニックとともに楽しめるかもしれない。

(記事・写真/フミさん)

2023フェスティバルレポート / アーティスト 歴代ワールドカップチャンピオン
2023/11/02 04:06 PM