Festival Report フェスティバル レポート 2023

秋空に音色響くケン玉アーティスト / リューセー

 もっともポピュラーなケン玉のイメージとして、紐がついたものが思い浮かぶ。しかし、リューセーの手にかかれば、そのポピュラーなケン玉も異次元の動きを見せる。

 彼は日本の沢入国際サーカス学校で磨き上げた技術に、海外での公演経験などを経て、ケン玉の新しい可能性や魅せ方を追求してきた。糸の動きの一つ一つに、彼のケン玉愛とこだわりが垣間見え、それが溢れているのか彼の演技は楽しそうに遊ぶ少年のようにも見える。

クレジット:渡邊翼

 カラッと晴れた秋の澄んだ空気の中で、ケン玉の「カコンッ」という音が音楽に合わせて響き、自然と客席から手拍子が始まる。糸がついたケン玉だけではなく、多様なケン玉を用いて刻んでいく心地よいリズムと動きに観客は息を飲み、リスクのある大技が決まる度に安堵と驚きの大きな歓声を上げていた。

 静岡出身のリューセーにとって、大道芸ワールドカップは憧れの舞台であり、演技後のインタビューではステージから見る風景は夢見ていたよりずっと凄かったとのこと。

 中性的なしなやかさと、力強い技をケン玉に組み合わせた新世代のアーティスト。決まっても失敗しても、ケン玉をする事を本当に楽しんいる少年のような彼のキャラクターにも注目してほしい。

クレジット:渡邊翼

(記事・写真/つばさ)

2023フェスティバルレポート / アーティスト オンステージ
2023/11/02 08:31 PM
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