Festival Report フェスティバル レポート 2023

意思を持ち始めたディアボロと築く愛の形 / ジュンディア

 韓国から来たジュンはこれまでに多くの国で公演してきた。そこで出会った多くの友人達からインスピレーションを受けて、彼は今の表現へとたどり着く。



 ジュンがたたずむステージには、一本の木が生え、その周りには多くの糸が張り巡らされている。複雑に絡み合うそれは、人との繋がりを表しているという。彼の胸からは印象的な赤い糸が一本たれているが、この糸が断ち切られるところから静寂の中始まる。

 糸を通して紡ぐ物語。

 ジュンの作品は愛をテーマにしているというが、愛の形は見ている人それぞれによって違い、それはディアボロへの注いできた彼の情熱であっても同じだろう。



 ジュンの操るディアボロは鋭く、かつ優雅に舞い彼の基礎にある高いスキルを感じさせるが、もっと興味深いのは彼のディアボロが次第に意思を持ち始めているように見えてくる事だ。

 意思の芽生えたディアボロは、ジュンに操られるのではなくなり、彼と共に遊び、時には縛り付け、ジュンとスキンシップをとり、親密な関係を築き上げていき、そこには彼がテーマとする愛がハッキリと見える。

 しかし、愛情を向ける相手が自分の元を去るとき、彼は何を思い、何を願うのだろう。ジュンディアの描く愛のストーリーのラストは儚くも美しい。



(記事/つばさ&写真/ほそや)

2023フェスティバルレポート / アーティスト フェスティバル交流アーティスト
2023/11/03 06:48 PM
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