Festival Report フェスティバル レポート 2023
コミカルそしてリズミカルなアトリック・ワールド / キム・スンジュン
韓国からやって来た若手アーティスト、キム・スンジュン(Kim Seungjun)。
マジックとジャグリングを中心に、音楽・ダンス・パントマイムなど多彩な芸を散りばめたコミカル且つリズミカルなパフォーマンスを披露。まさにアートとトリックを組み合わせたイリュージョン、「アトリック」の世界に観客を引き込んだ。
小学5年生の時にコイン・マジックを始め、そこから数々のマジックを習得。レパートリー数を聞いたら「天井知らず」と即座に回答。今日のステージでも花・風船・ボール・家具などの小物を操り、数々のマジックを私たちに見せてくれた。
一人数役を担うアトリックの世界では、アーティストがその時々の役柄を明確にすることが重要。キム・スンジュンは、ステージ上を、マジックの時は黒いシルクハットを、サーカス関連のパフォーマンスでは赤い山高帽を被り、そのアイデンティティを器用に差別化する。
自慢の芸はフラフープ。韓国で数多くのマジシャンを育てた安田悠二さんに師事し、フラフープ芸を教えてもらった。今後は韓国の音楽や雰囲気を取り入れ、フラフープ芸に更なる磨きを掛けて行きたいと意気込む。
日本が大好き。でも、これまで日本に来る機会がなく、今回の大道芸ワールドカップをとても楽しみにしていた。今日もたくさんの観客のみなさんに囲まれパフォーマンスができ、大きな手応えを感じたとのこと。
ちなみに一輪車マジックのキム・ジェインは、韓国で活動するビョルビョルサーカスでのチームメート。今日もお互いのステージに出演し合い、技のアウフヘーベンを図る。
大道芸ワールドカップが終わったら、日本の街の路地・小径を歩き、日本ならではの景色を楽しみたいとのこと。もしかしたら、静岡のどこかで小さな子どもたちにマジックを披露し、彼らから大きな笑顔を引き出すキム・スンジュンの姿が見られるかも知れない。
(福)
2023/11/03 04:41 PM