Festival Report フェスティバル レポート 2017

変幻自在のシュールなワールド/ホワイトアスパラガス

ホワイトアスパラガスの演技は、クネクネと体をよじらせるダンスからはじまる。まずは園児と小学生の子供の心をがっちりとキャッチした。



ベタな笑いを誘う漫才のようなやり取りから始まったパフォーマンスは、やがてひとつも動きに無駄がないハイレベルのジャグリングやアクロバットに変わり、大人の目も次第に彼らに釘付けになっていく。

ジャグリングはとめどなく流れる清流のイメージ。力強く美しいアクロバット演技が絶妙に絡み合い、息をぴたりとあわせた演技が途切れることなく繰り広げられる。





ふと気がつくと、先ほどまでのベタなギャグはどこに行ったのだろう? と思うほど、いつの間にかガラリと雰囲気が変わっていて驚かされる。

彼らの周りだけ、まるで音のない世界が広がっているかのように見えるのはどうしてだろう? 

そんな変幻自在なパフォーマンスにはブラックユーモアのエッセンスがちりばめられ、シーンが変わるたびに驚きを隠せない。知らず知らずのうちに観客はその独特でシュールな世界に引きずり込まれてしまうのだ。



大道芸ワールドカップ初出場の「ホワイトアスパラガス」は、2015年に結成したばかりのパフォーマンスユニットである。

サーカス学校こそ同窓だが卒業後はそれぞれの道を歩み、舞台芸術や各種パフォーマンスを学びながら国内外で活躍してきた。

その彼らが再び出会いユニットを組んだわけだが、それは全くの偶然の出来事がきっかけであった。

それぞれが単独で訪れていたパリで宿泊場所に困った時、二人揃って日本人とフランス人ご夫妻の家に泊めていただいた。そのお礼に二人でパフォーマンスショーを披露した際に意気投合し、ユニットが結成されたのだ。

ひょんなことから生まれた急ごしらえのユニットが、いまや国内のみならず世界で高い評価を得ている。また、同業者であるアーティスト達も彼らには一目おいているという話も聞く。

けれども彼らはまだ若い。おそらくこれからも大きく進化を遂げるに違いない。

そんなホワイトアスパラガスの演技は必見。子どもも大人もこぞって彼らのステージに足を運んでほしい。



今後の予定

11月3日
しずマチ
①11:30〜②14:00〜③16:30〜

4日
静岡駅ビル パルシェ屋上
①12:15〜②14:15〜③16:15〜

5日
メイン広場2
①12:30〜②14:30〜③17:30〜


Written by 富士山なすび/Marine /Kamome

2017フェスティバルレポート / アーティスト オン部門
2017/11/02 04:12 PM
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