Festival Report フェスティバル レポート 2024
大道芸ワールドカップ in 静岡2024 3日目の会場の様子
大道芸ワールドカップ in 静岡2024 11月3日(日)、3日目の会場の様子です。
今日は雨も上がり、多くの観客でにぎわっていました。
(ちきん)
2024/11/03 05:31 PM
観客との信頼を築きながら、舞台は創られるのだ。 / ソ・ナンジェ
優雅に結い上げた長髪に、整った髭。ダンディーな風貌をみせる人物が、静岡の舞台に立った。
彼は韓国出身のポールダンスパフォーマー、ソ・ナンジェだ。
一見もの静かな佇まいを見せる彼だが、観客を愛し、信頼を大切にし、熱いハートを持つ漢であった。
彼の危険なパフォーマンスは、観客との信頼関係によって支えられていたのである。
ポールダンスを披露するためには、棒を縦に何本もつなげ、長い棒を作らなければならない。しかし、それは彼一人だけの力では成しえないことである。
まず観客の一人に棒を持たせ、自分が持っている棒とつなげてもらう。棒の長さが彼の身長を超えると、今度は他の観客に声をかけた。肩車をしてもらいながら、棒をさらに縦につなげていく。こうしてできた棒は、彼の身長の3倍にはなっただろうか。
また、棒にはロープが4本括りつけられている。4人の観客を呼び、そのロープを持ってもらう。4方向に引っ張る力のバランスで、棒を垂直に保たせるのである。こうして最後は、観客の力を借りて立った棒に登り、やっとのことでポールダンスを披露できたのである。
ただ、一人でも間違って手を放しては、棒は即座に倒れてしまうだろう。命の危険すらある。
なぜ、こんなにも人を信頼できるのであろうか?演技後に彼に尋ねてみた。
はじめに棒をつなげてもらい、肩車をしてもらうというように、小さなお手伝いからお願いするのが重要なのだという。
人はだれしも初対面でいきなり助け合うことは難しいだろう。いきなり棒を支えてもらうのは本人も怖いという。少しずつコミュニケーションをとり、段階を経ていくことで、信頼関係が築かれるのだという。
また、彼は派手な衣装は身にまとわない。あくまで観客と同じ視点に立ち、自然と染まっていくことを大切にしているという。
彼は元々はジャグリングを本業としており、2018年の大道芸の大会で、Performer Syo!さんを観て、自分もポールで演技をしたい!という希望を持って始めたそうだ。
当時の韓国には競技人口が少なく、そんな中でもYouTubeやフランス渡航で必死に技術を磨いてきただ。
来日前は、日本の観客は消極的なのだろうかと不安だったそうだが、実際のステージでは温かい拍手もあり喜んでいた。
彼を見かけた際には、温かい拍手で迎えるとともに、ぜひあなたも手に汗を握るこの現場に当事者として参加してほしい。きっと彼は、協力してくれたあなたと熱い抱擁を交わしてくれるだろう。
(りゅりゅ)
2024/11/03 05:26 PM
笑顔を呼ぶシャボン玉 / ソーニ・ディ・サポーネ
まるで滑っているかのように入場してくるコミカルなソーニ・ディ・サポーネ。
最初は本当に転んでいるかわからずに不安そうな表情をする観客も、サポーネの笑顔を見ればすぐに笑いが戻る。
音楽に合わせて楽しそうに動くサポーネの姿を見て、すぐに人々は引き込まれていった。
踊るように生み出されるシャボン玉の数々は、子供たちを笑顔にしていく。
小さなシャボン玉も大きなシャボン玉も観客のほうに飛んだり割れたり、離れた人も楽しませていくのが魅力だ。
サポーネは言葉が通じない分、シャボン玉という共通の非言語コミュニケーションを意識しているとのことだ。
日本の観客の反応も良く、彼の非言語コミュニケーションは間違いないく日本の観客の心もつかんだだろう。
日本でのパフォーマンスは初めてとのことだが、「日本の皆様は礼儀正しくリアクションもたくさん返してくれます。」と語っている。
大会もあと1日、彼のコミカルなシャボン玉パフォーマンスで笑顔になるのはいかがだろうか?
(dekapurin)
2024/11/03 04:23 PM
"混沌"へようこそ / Compagnia Bellavita
はるばるイタリアから初来日した二人組のパフォーマー、Compagnia Bellavita(コンパーニャ ベラヴィータ)。
”美しき人生のコンビ”は、この大道芸ワールドカップ2024で「混沌」を創り出した。
ジャグリングと皿回しで魅せるアントニオ、ユーモアとチャーミングな日本語でもてなすアンドレア。
この二人が生み出すショーに目が釘付けになること間違いなし。
彼らのショーは登場からイタリアンな陽気全開で始まる。
テーブルクロスをひき、優雅に食事を楽しむかと思えば、突然ワインボトルでジャグリングを始めた。
ワインボトルにこんな使い方あったんだ!という発見とともに、その腕前にあっという間に視線を盗まれる。
時折垣間見えるイタリアン‐ジェスチャーが演技にスパイスを加え、より個性的に輝かせた。
アンドレアの不思議なパスタ芸にみとれていると、曲調がガラッと変わり、演目「Cocorito」が幕を開ける。
ノリノリな音楽も相まって、会場の熱気もピークを迎える。
サッカーボールでの演技を揚々と始めるが、おやおや。これは、失敗?
いいえ、これは彼らの計画通り。
失敗する様子が計画通りなのか、それとも違うのか、観客が惑う様子を見ると嬉しいのだそう。
それこそが、彼らの意図したことであり、パフォーマンスの一環として大切にしているらしい。
日本での初公演ということで私たちが感想を聞いてみると、二人は口を揃えて”本当に最高な祭典だったよ”
と、満面の笑みで述べた。
国境をまたぎ、幅広く活躍する彼らの活躍に今後も目が離せない。
(Alba)
2024/11/03 01:25 PM
立体絵画の世界へようこそ / シンクロシニティ
駿河屋アートポイントでは、シンクロニシティによるキューブアート展が行われています。
時間によっては、目隠しルービックキューブ作成も見ることができます。
ショーや展示以外にも、アーティスト本人からルービックキューブの指導を受けることも。
2024/11/02 07:38 PM
大道芸ワールドカップ in 静岡2024 2日目の会場の様子
大道芸ワールドカップ in 静岡2024 11月2日(土)、2日目の会場の様子です。
2024/11/02 06:19 PM
皆さん元気な50代!? / くるくるシルク
大道芸ワールドカップに十三年ぶりにくるくるシルクさんたちが帰ってきました。
今日は雨で会場の市民文化会館は少しどんよりしていました。晴れの日の方がもちろん思い切りできていたと思います。ですが、そんな中でも素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。
お手本のブルーさん、それに合わせるイエローさん、マイペースなレッドさんと三人のそれぞれの性格が最初からパフォーマンスに表れていました。
ボールを取り出すにしても変なものを出したりと、少しおっちょこちょいの様なレッドさん。
ブルーさんはしっかりしていると思ったら、ボールを自分の後ろに全部投げてしまうなどその場の勢いに身を任せてしまいやすい様です。
今度はイエローさんが急にマイクを手に取り、少し毒舌のトークを始めました。その内容は毒舌というよりも自虐のようで「老体に鞭を打っている」など聞いているほうが心配になりそうでしたが、お客さん達を奮い立たせるようなトークでどんどん盛り上がっていきました。
パフォーマンスが終盤に入り、動きが激しいものになっていきました。
二人でレッドさんを肩にのせて、くるくると回り始めたかと思えば、次には着ていた上着を脱ぎ、気合十分になりました。ヘルメットも被って安全確認した後、打合せ通り(?)にお客さんを巻き込んでいきました。
動きが激しいものになったためか、イエローさんは後ろで息切れしているのが見えてしまい、レッドさんは頑張っていましたが、おっちょこちょい度が少し増したようでした。
ブルーさんはイエローさんに乗せられた様に大技を披露したりと、それぞれの面白さが更に増しているようでした。
パフォーマンス後のインタビューで、「いつまで続けたいですか」という質問をしたところ、ブルーさんが「70歳まで続けたい」と言っていましたが、レッドさんは「誰かに止めてほしい」と言っていました。
ですが、長い間共にしてきた中だからこその信頼があるとも言っていました。
よく見ていれば、もしかしたら次はこんな行動をするのではないかと予想を立ててみると、もっとパフォーマンスにのめりこめると思います。
予想通りだったら心の中で「おっしゃ」とガッツポーズをしてみてください。もしかしたら、その予想を上回るかもしれません。また拍手と歓声があればもっと盛り上がること間違いないと思います!
くるくるシルクのショーでは、そこに集まった人全員が登場人物。
その物語に大きく関わってくるのはあなたかもしれないし、隣の人の物かもしれません。選ばれた時に変わった行動をとってみるのもありかもしれません。
どんな物語になるのか、ぜひご一緒に楽しんでいってください。
(後日、天気の良い日に撮った写真です)
(チョッキ)
2024/11/02 05:46 PM
不可能を可能にする喜び、それがマジックだ。/ Juan Colás
『不可能を可能にする喜び』
そんな熱い信念を語ってくれた、スペインからの魔術師を紹介しよう。
その名もJuan Colás(フアン・コラース)。
ユーモアに富み、たまにセクシーさも魅せてしまう彼のパフォーマンスにあなたはきっと虜になるだろう。
舞台に立ち、最初にポケットから取り出したのは水晶だ。
手のひらや指先で器用に転がしながら、落ちそうで落ちないドキドキを演出してくれる。
彼の手にかかれば、まるで意思を持っているかのような動きを見せていく。
たまに水晶にキスをしてしまうような、道具への愛にも魅了されてしまう。
もしかしてあの水晶は、彼のペットなのか、それとも…?
次に登場するのは、3つの金属の輪だ。
きっとあなたは、「どうせどこかに切れ目があるのでは?」とトリックを見破ろうとするだろう。
しかし、見破る余裕もないどころか、なんと見えない輪っかの音さえも聞こえる…?
さらに彼の魔法にかけられたのは、ネックレスのように首にかけられた紐だ。
この紐は、何回引っ張っても彼の服の中から顔を出すのである。
彼は紐の行方をたどるため、シャツをはだけさせてしまった。
たまに紐が急所に当たってしまい痛がるようなそぶりを見せ、会場は大きな笑いに包まれる。
最後に、トランプを使った技も出てくるが、なんと先ほどの紐が活躍するのである。
あとは見てのお楽しみとして、詳しくは伏せておこう。
本日は雨天だったが、テントが埋まるほどに集まり、皆は彼の魔法の様子を食い入るように見つめていた。
演技後には、「とにかく楽しませる、ということを大切にしている」というコメントをくれた。
確かに、言葉や文化の差異には関係なく、拍手に満ち溢れた空間を創っていた。
来年以降もぜひ、ここ静岡に来て驚きと感動と笑いを届けてほしいものだ。
(りゅりゅ)
2024/11/02 05:36 PM
スペインと髭とKISSER / KISSER
ありきたりで申し訳ないですが、「スゴイ!」です。
何がスゴイかって?
とにかく見てください!
怪しげな占い師のように座ったままで「あと○○分で、マジック始まります。」とKISSER自らが呼びかけ。
「何回見ても不思議なんだよね。今日は後ろから見るね~!」と常連さんの声。
タネはあるはずですが、
前からも、横からも、後ろからも、見えません。
観客に囲まれた目の前で手の中で、トランプが一瞬にして変化(詳細は伏せますが…)。
このトランプは、形状記憶なのか?
もしかすると時空が曲がっている?
「魔法ですか?」そんな感想しか言えないです、ごめんなさい。
いつもこのようなマジックを行っているのか尋ねたところ、
今回の大道芸のようなスタイルでのマジックは、年に1度くらいの貴重なものだそうです。
また別の常連さんから、「ヒゲ切りました?すっきりしましたね。」と聞かれ、
先週までスペインに行っていて、スペインで切ってもらったとの返答。
近所の街角の一場面のような、ありきたりの空間で、
スペインで整えた自慢のヒゲとキレッキレのマジックが、あなたを待っています。
お見逃しなく!
(みゅげ)
2024/11/02 05:29 PM
日本の伝統芸能をストリートで… / めりこ
黒緑橙の垂れ幕、鐘のついた金属のポール、美しい着物に身を包んだ美女…。
彼女が演じるのは、歌舞伎や文楽でおなじみの演目「八百屋お七」。
当大会で八百屋お七を演じて今年で10周年になるという彼女は、「毎年グレードアップした姿を観客に届けたい」と解釈を練り固め、衣装や表現にこだわり続けている。
日本初のストリート・ポールダンサーとして活躍する彼女だが、実は大道芸人としての始まりは新体操だったという。
大道芸が好き!ポールダンスが好き!という情熱から、まだ誰もやっていなかったストリート・ポールダンスを始めたらしい。
演技のポイントである表情管理は、自身の人生経験から拾い上げて感情を載せているとか。
「死ぬときは天に上るだけ。だからこそ今と向き合って信念を貫くだけ。」と、演目の内容と絡めて自身のポリシーを語る彼女は、私の眼にとても強く、美しく映った。
「見る者すべてのハートに火をともす」パフォーマンスを彼女はこれからも魅せ続ける。
(のーす)
2024/11/02 05:18 PM