Festival Report フェスティバル レポート 2023

ちいさな面白さが作る大きな輪 / ふくろこうじ

 遊びや失敗は誰でもするし、共感しやすい。そんな事が楽しければ、見ている観客も楽しくなる。

 クラウンのふくろこうじのショーは、実に不思議な感覚に陥る。

 何かに失敗したり、身近にあるもので遊んだり。そんな誰もが経験した事が彼のショーではたびたび起こるが、たったそれだけの事が笑いに変わる。



 当たり前のような事に面白さを見出し、そこにあるちいさな面白さを拾い上げ大きくしていく。クラウンというのは、そんな普段目につかないような面白さに気づき、そこを追求してしまう存在なのだろう。

 そんなクラウン、ふくろこうじの面白さをかぎつける嗅覚は抜群で、彼のショーでは本当にちっぽけな入口からバラエティ豊かに笑いの世界が広がっていく。

 彼が日常で起こりうる全ての現象に面白さを見出し、追求してきたからこそ彼の一挙一動に観客は共感し、そして笑う。

 言葉を発せずともステージに立つふくろこうじはいつでも感情をカラダに翻訳して、彼を囲む大勢の観客に語りかける。

 「これでも食らえ!」

 そんな少年のように無邪気なふくろこうじは今日も、今日もステージの上で新たな面白さを見つけて遊び続ける。



(記事/写真 つばさ)

2023フェスティバルレポート / アーティスト オンステージ
2023/11/04 06:53 PM
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