Festival Report フェスティバル レポート 2022
「誰でも何にでもなれる」/Ray
黄色、オレンジ、水色、紫、ピンク・・・
色鮮やかなひとつひとつのバルーンが
大輪の花やうさぎ、犬、花束など、様々な形に姿を変えていきます。
大道芸ワールドカップin静岡2022 オン部門ステージ。
真っ青な秋晴れの空の下、着物をモチーフにしたドレスを纏い、
幻想的な音楽とともにパフォーマンスするのは、バルーンパフォーマーRayさんです。
5年前の大道芸ワールドカップin静岡2017では、オフステージに出演。今回は2度目の出演となりました。
偶然にも今回のステージと同じ場所で、
「当時は、今日のようにステージは設営されておらず、ただの芝生の上でパフォーマンスしていました。
その時のことを考えると今日の気持ちは言葉にできません。」と振り返るRayさん。
2018年にはバルーンアート全米大会パフォーマンス部門で優勝。
数々のコンテストで受賞を果たし、国内だけでなく海外でも活動し、
国内屈指のバルーンアーティストとして活躍されています。
「最初は、ただのお客さんだったんですよ。」
ショッピングセンターでたまたま見かけたバルーンアートを観て感動し、
とあるバルーンアーティストのおっかけとなったことがきっかけで、
自身もバルーンアートを習い始めたといいます。
そして、大道芸ワールドカップin静岡2010を鑑賞し、「大道芸もいいな。」と思うように。
それでも、「当時は人前でパフォーマンスをするなんて恥ずかしくて、とてもできないと思っていました。」
そんなRayさんの背中を押したのは、バルーンアートの師匠からの言葉。
「逃げるのか?」
その言葉に一念発起し、バルーンアーティストへの道を歩み始めました。
33歳でバルーンアートに出会い、専業主婦ながら家族のサポートを受けて世界で活躍するまでに。
「少しの一歩でも踏み出すことが大事。踏み出さなければ何も始まらないですよね。」
これまでの経験から、誰でも何にでもなれる、ということをパフォーマンスを通して伝えたいといいます。
ステージも終盤。バルーンアート全米大会で優勝した時のパフォーマンスが始まります。
琴や三味線などの和楽器をモチーフにした音楽の中、Rayさんの手の中で、大作・鳳凰がみるみると作り上げられていきます。
今日のステージで唯一マイクパフォーマンスなしの演目でしたが、それでも存在感のある圧巻のステージでした。
ステージ上で作られた作品たちは、観客たちに手渡されます。
子どもも大人も手渡された瞬間、にっこり笑顔に。
「今日作った作品たちはすべて風船です。いつかしぼんで割れて壊れてこの世からなくなってしまう
儚いものです。二度とこないこの瞬間を楽しんでいただけると嬉しいです。」
力強く華やかなステージと儚さを感じるバルーンパフォーマンス。
私も世界中の多くの方と同じようにすっかりRayさんのパフォーマンスの虜になりました。(沙綾)
2022/11/06 04:36 PM