Festival Report フェスティバル レポート 2017

人間業を超えた圧巻のバランス芸/張海輪

舞台衣装をまといお面をかぶって登場した張海輪。軽やかに踊りながら次々とお面が変わる「変面」に観客から大きな歓声が上がる。



その興奮がさめやらぬ中、今度は大小の旗がついた長ーい棒を伴い再登場。期待を胸にじっとステージを見つめる観客の前で、そのカラフルな棒をリフティングの如く自在に操り、さらに歓声が大きくなる。

次は何が出てくるのだろう? と観客席の期待がどんどん高まっていく中、最大の見せ場であるバランス芸が始まった。

最初は積み重ねた小さな箱の上、次はびんの上に足を挿した椅子の上で倒立。それだけでも危険でハラハラする光景だ。しかしそれ以降も椅子が積み上げられていく。彼はその上で軽々と倒立を行い、その度に驚きの歓声が高くなっていく。

そしてクライマックスは6脚目の椅子が積み重なったラストにやってきた。なんと彼は片腕だけで立ち360度回転したのだ!



もはや人間業とは思えない演技に観客のボルテージは最高潮!会場を揺るがすほどの歓声と拍手が巻き起こったことは言うまでもない。

実はこの超人技、今年の大会にあわせて今年の冒頭から練習を重ねてきた大技で、つい最近に完成したばかり。本人も演技後「なんとか間に合いました」と安どの表情を見せていた。

今年のジャパンカップチャンピオン・張海輪(ちょうかいりん)は芸能一族の4代目。2000年に中国より来日して以来、国内外でのパフォーマンス活動のほか、日本各地の学校で中国の伝統芸能を広める活動を行っている。

自らの芸の向上だけでなく、日本の子どもたちにパフォーマンス文化を広めるなど、幅広い活動を行う張海輪。それにより大勢の子どもたちが彼と同じ高みをめざし、世界に羽ばたく日が来るのも夢ではないだろう。


Written by 富士山なすび

2017フェスティバルレポート / アーティスト オン部門
2017/11/04 02:57 PM
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