Festival Report フェスティバル レポート 2014

原始人にも楽しんでもらえる笑いを目指して/ファニーボーンズ

ファニーボーンズの笑いは実にシンプルである。
アドリブの連続で何がこれから目の前で起こるか
想像がつかない。先がつかめない。
わけがわからないのに、何が起こるかわくわくする。
それが不思議な日本人と英国人のコンビ。
彼らのコントをゆるりと見物していると、
ナチュラルに笑みがこぼれ、笑いが巻き起こり、
しまいには爆笑しすぎておなかがよじれそうになる。
それが彼らの持ち味だ。



彼らが目指すものはなんと!

「原始人でも楽しんでもらえる笑い」

かいつまんでいえば、こういうことだ。
どうやら、普遍的に、大人子供を問わず、
国籍も、時代も超えて、更に
地球外の生物までが笑みを浮かべ、
笑い、リラックスして楽しめる、
そんな笑いを目指しているという。



たとえばチャップリン、キートン、あるいは
ドリフターズのような、お茶の間で家族で
仲間で笑えるそんな笑い。
それを彼らは目指している。



それはとてもシンプルなこと。
でもとても、とても難しいこと。
シンプルに笑いを共有できる芸を編み出すのは
実は簡単ではない。だって人には個性があるから。
その個性とか、笑いのつぼをできるだけ多くの人と
共有できるというのは安易ではない。



しかしそのシンプルにして難しいことを
彼らは目指している。そしてその片鱗を
少なくともがっちりとつかんでいる。
それは15年以上ペアを組んで阿吽の呼吸で
世界中を駆け巡りながら芸をしてきた
彼らならではであると思う。

(富士山なすび)

2014フェスティバルレポート / 2014アーティスト オン部門
2014/10/31 04:48 PM
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