Festival Report フェスティバル レポート 2012

朝一番から笑いの渦に包まれて/大道芸RIKI

大道芸ワールドカップin静岡、大会3日目。
その最初を飾るにふさわしいアーティストが、プレミアムステージのまん前で
朝一番のステージから観客を笑いの渦に巻き込んだ。

「大道芸RIKI」去年はオフ、今年はオン部門で出場しているが、
演技が始まる前からバルーンアートなどで観客とコミュニケーションを取り、
演技が始まってからもそのとどまるところを知らぬマシンガントーク、
言い換えればマシンガンギャグで最初はおとなしかった観客たちを
次第に「大道芸RIKI」ワールドに引き込んでいく様は、まるで魔法のようだ。
特に筆者がイチオシなのは間を取るときに使う「セクシーポーズ」。
どんなときでも観客を飽きさせない術を彼は知り抜いているのだ。

彼は日本の大学で日本語を学び、英会話講師をしながら大道芸の技を磨いてきた。
関西における大道芸歴は10年。また、世界中のエンタティナー集団で一年半の
修行をしてもいる。

そんな彼の持ち味は前述の「マシンガンギャグ」はもちろんだが、何よりも
レベルの高いジャグリングの技術と、卓越したバランス感覚である。
特に「世界唯一の技」と言われている「トランプタワー上のナイフジャグリング」は
目をみはるほど危険な技と素人目にもわかるすごい技だが、
本人は口では「怖い、危険だ」と言いつつ、実際にはそれを難なくやってのける。
そしてさらに観客の心をつかみ、最後には誰もが彼の演技の虜になってしまうのだ。

このトランプタワーのナイフジャグリングは、彼の友人のアイディアから生まれたそうだ。
とても危険な技なので、当然怖いと思うことはあるという。
しかし、成功してそれを見るみんなの喜びの笑顔が励みとなってるようだ。

ちなみに今年は新兵器「ヅラ(かつら)」を使って観客を沸かせてもいた。
マンネリが何よりも観客にとってつまらないことを彼は知っているのだ。
だからこそみんな彼の演技を見るとハッピーになるのだと思う。
もちろん筆者もその一人である。

しかし、RIKI自身は、静岡の雰囲気こそが天国だと仰ってくださった。
私たち観客は、そんなRIKIを失望させないよう、彼のパフォーマンスを
大いに盛り上げていこうではないか。



(chitose)

2012フェスティバルレポート / 2012アーティスト オン部門
2012/11/03 06:38 PM
<<次の記事 前の記事>>