Festival Report フェスティバル レポート 2007

くやしい、けど忘れられない! ふくろこうじ

まじめで少し貧弱そうな男が現れて、なにやらパントマイムを始めた。…と思ったら、手がうにょ~んと伸びた!!予想外のパフォーマンスに、一同「やられた!」という感じ。驚く観客に向かって、ニヤリ、と不敵な笑みを浮かべる。これがふくろこうじなのか。明らかに異様な存在感だ。でも面白い、面白いぞこの人!
どこか懐かしく、昭和のアメリカ映画調の音楽が流れる中、ふくろこうじのお茶目でちょっとヘンなパフォーマンスが続く。観客も、何が起こっているのか、これから何が起こるのか、目をこらして見つめる。みんなが真剣になってきたころ、わざとボケてみたり、そうかと思ったら突然スゴ技を出してきたり。そのたび観客は、彼の思い通りの反応をしてしまう。これでは思うツボではないか…。こんなふうに観客を完全に手玉に取り、ふくろこうじ様もご満悦のニヤリ。うーん、悔しい、悔しいけど素敵!
じわりじわり攻めてくる彼のパントマイム。目を閉じても、なんだか残像がやきついている。ふとしたときに、なんだか思い出してしまう。センスのいいパントマイムは、その場限りで終わらないんだな。こんなふうに、見た人の「懐かしい」という記憶の一部になっていくんだなぁ。もう少しだけ、このパントマイムの余韻に浸っていたい。そう思わせてくれる、不思議なパフォーマンスでした。
(mei)

2007会場レポート / 2007パフォーマー オン部門
2007/11/04 03:53 PM
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