Festival Report フェスティバルレポート 2025

緻密でヌケ感のあるフィジカルコメディにはまりそう!/ゼロコ

おそろいの黒いトレーナー&黒パンツ姿の男性2人組。ラフな格好なのにどこかかっこいい。彼らのパフォーマンスはほどよいヌケ感があって面白かっこいい。


その2人組の名前は「ゼロコ」。日常を多角的に捉えたパントマイムやクラウニング(道化師の手法)をベースに、緻密さと即興性を持ち合わせたパフォーマンスを行うフィジカルコメディーデュオだ。

ポットやマグカップ、傘などを使った遊び心たっぷりのパフォーマンスや、観客を巻き込む即興のパフォーマンスでは度々笑いの渦が沸き上がり、大技のテーブルクロス引きを成功させた瞬間には嵐のような歓声が沸き起こった。

そして最後は観客の誰もがリラックスした感じの笑顔になっていた。


「ゼロコ」は飄々(ひょうひょう)とした表情で簡単そうにパフォーマンスをしているが、よくよく見るとその体は指先まで神経を行き渡らせるような緻密な動きをしている。

それが一切のムダがないシンプルな動作を生み出し、観客には簡単そうなパフォーマンスに見えるのかもしれない。


そのことに気づいた瞬間、彼らのパフォーマンスに「ほどよいヌケ感がある面白かっこよさ」を感じた理由がわかった気がする。それこそが「ゼロコ」の最大の魅力なのだろう。

大人も子どももリラックスした笑顔にする「ゼロコ」。その緻密でヌケ感のあるフィジカルコメディにどっぷりはまりそうだ。

(chitose)

フェスティバルレポート2025 / アーティスト オンステージ
2025/11/03 15:55