Festival Report フェスティバル レポート 2024

僕らのHero! / Heromacro

大盛況の大道芸も、いよいよ最終日となった十一月四日。
メインステージともいえる駿府城公園のど真ん中で、観客は開園を待ちわびている。
あまりの数に、観客用スペースが拡張させるほどだった。
そんななか、Heromacroは現れた。

強靭な肉体が自慢のヒロが準備運動をしている中、元CAという経歴を持つマコは、その経験を活かしながらパフォーマンスの説明をしていく。
「当機1104便は、30分の飛行を予定しております。離陸後は、(投げ銭用の)帽子へ到着いたします。」と、ジョークを交えた機内放送は、観客の笑いを集めるには充分であった。

さて、いざ披露が始まると、ハッピを着た二人は、合わせ技をかけ合わせていく。
ヒロがお箸を使ってボールをキャッチするというパフォーマンスは、どんどん複雑になっていく。そして成功したら、会場を包み込むほどの歓声が上がる。
彼らのパフォーマンスは、周りにある屋台にも負けない迫力を秘めている。

しかし面白いのはこれだけではない。手に汗握る場面であっても、彼らはおちゃらけて笑わせてくれる。
ただふざけているのではなく、そんなときでさえも笑っていてほしいという彼らの願いなのだ。
英語を交えたヒロのコールは、観客の集中力を切らせはしない。
そして投げ銭用の帽子にも、何か仕掛けがあるようだ..!?

ヒロは観客をステージ上に招待し、寝転んだ観客の上を逆立ちで歩いていく。
さらにその後、脚立の上にレンガを積み始め、それを支えにして空中で逆立ちしようというのだ。
そんなド派手なパフォーマンスを見ないまま帰るという選択肢は、もはやないと言って間違いないだろう。

欧州、北米、中東と、世界をまたにかける彼らは、今回が二回目の大道芸参加。
いろいろな地域で様々な反応を見ている中、一番暖かい反応をしてくれるのが、静岡の人々だそう。
だからこそ彼らは、お客さんに対して全力で喜びを提供するのだ。実際開演前は、来場者に気配りし、積極的に水分補給をするよう促していた。
たくさんの観客にたいして、真心こめた対応だ。彼らの観客を思う気持ちが、見事、周りにもわかってもらえているのである。

彼らは日本文化を発信するために海外で活動していて、大道芸の経験は今後の活動のための大きな参考となると語っていた。

(つーさん)

2024フェスティバルレポート / アーティスト ON部門
2024/11/04 02:01 PM
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