Festival Report フェスティバル レポート 2024
日本の伝統芸能をストリートで… / めりこ
黒緑橙の垂れ幕、鐘のついた金属のポール、美しい着物に身を包んだ美女…。
彼女が演じるのは、歌舞伎や文楽でおなじみの演目「八百屋お七」。
当大会で八百屋お七を演じて今年で10周年になるという彼女は、「毎年グレードアップした姿を観客に届けたい」と解釈を練り固め、衣装や表現にこだわり続けている。
日本初のストリート・ポールダンサーとして活躍する彼女だが、実は大道芸人としての始まりは新体操だったという。
大道芸が好き!ポールダンスが好き!という情熱から、まだ誰もやっていなかったストリート・ポールダンスを始めたらしい。
演技のポイントである表情管理は、自身の人生経験から拾い上げて感情を載せているとか。
「死ぬときは天に上るだけ。だからこそ今と向き合って信念を貫くだけ。」と、演目の内容と絡めて自身のポリシーを語る彼女は、私の眼にとても強く、美しく映った。
「見る者すべてのハートに火をともす」パフォーマンスを彼女はこれからも魅せ続ける。
(のーす)
2024/11/02 05:18 PM
エンディングまであっという間! / GABEZ
初っ端から二人の言葉の絡み合いに独特な興奮の世界に引き込まれて行く。
小刀を使ったスピード感あるコミカルなパフォーマンスに息を呑む。
シチュエーションが変わる度に、次は何かと大きな期待を持って見守る観客。
子供を舞台上に招き、観客参加の場面も演出。
笛を使ってリズムを取る体育会系の行進パフォーマンスに手拍子で応える観客。
各所にコミカルなしくじりを織り交ぜながら観客を楽しませる。
メガフォンを使っての指導とボケ。
ピッピーピーが正しいか、ピッピピッピピッピが正しいか、観客に拍子で答えさせる。
軽妙な音楽をバックに絡み合いパフォーマンスに息を呑み、じっと見つめる。
武器を使った戦いのエアーパフォーマンスに、観客はフェスのノリの掛け声で盛り上げる。
次から次に展開される彼らの世界に観客は引き込まれ、あっという間にエンディング。
このグループは16ヵ国で演じた経験があり、2024年8月にスコットランドで行われたエディンバラ・フェスティバル・フリンジ(3,000組以上が参加)では「アジアン・アーツ・アワード」の優秀男性パフォーマー賞、韓国では第11回釜山コメディアン・フェスティバルで日本人初の「2023年オーシャン・オブ・ラフターアワード」を受賞した。
(ヒロ)
2024/11/02 04:42 PM
二人の世界感に心がジワリ温まる♪ / シルヴプレ
たくさんの観客に囲まれた白い服の二人は、「愛と笑い」と「男と女」をテーマに活動するパントマイム夫婦。
ボンボンボンボン♪×2のリズムは二人の和やかで愛のある空気感を会場中に広げる。
二人の世界感に心がジワリ温まる。
そんな思いを二人に話すと、「もっとブラックなネタをやるときもあります」と教えてくれた。
今年で結成24年になるシルブプレだが、実は大道芸人としての活動が始まりではなかったらしい…。
舞台上のパントマイムが二人の始まり、路上でもパフォーマンスしてみたいという気持ちから大道芸もするようになったとか。
ネタはたくさんあるが、今回は最新のネタも披露してくれるようだ…。
大会では4日間、昔からのネタから最新のネタまで少しづつ内容を変えながら違う姿が見られるそうなので、シルヴプレを追いかけてみるのも楽しいかも♪
(のーす)
2024/11/02 04:38 PM
どうして、こんなことができるの?天才? / 油井ジョージ ワンマンバンド
会場につめかけた聴衆、特に子供たちの眼が大きく輝き、大人達はあっけにとられてしまう。
体中に括り付けられた様々な楽器を手や足や口、そしてその向きや動きの速さなどで一人で操る。
元々はプロのドラマーだからだろう、信じられないような演奏を、ジョークや笑いを交えながら行う。
楽器の数は10、重さは10kgとのこと。
2017年からこのスタイルをはじめて、2018年から大道芸ワールドカップに参加、2019年には芸王グランプリのチャンピオンに。今年はフジロックフェスにも参加している。
今回は、即興で大道芸ワールドカップのテーソングを歌い、演奏してくれた。
きっと定着していくだろう(と信じたい)。
主な活動場所は、イベントやTV、フェスティバルなどである。
ぜひとも生の油井ジョージを体験していただきたい。
リアルな驚きとともに、彼のセンスと才能を理解できるはずだ。
さわやかな笑顔のイケメン演奏家である。
(フミさん)
2024/11/02 04:30 PM
大道芸ワールドカップ初出場!最強・最高のパフォーマンスユニット / ヒノカグヤ
和の黒装束に身を包んだ4人の男性がステージに立つと、一瞬観客席のざわめきが止まった。その動きに観客の目が釘付けになる。
2024年大道芸ワールドカップ初日のキリンポイント上空は、秋らしい青空が広がる晴天。その下で、本大会初出場の「ヒノカグヤ」が演技をスタートした。
さあ、フェスティバルの始まりだ!
ステージの前列では、赤い和傘を広げた二人が「手妻(日本の伝統芸能)」を華麗に披露。
狐のお面をつけ外ししながら、傘や和紙を使って流れるようなパフォーマンスを披露する。
本番前に少し披露した「手妻」のパフォーマンスも見ごたえがあったが、いい意味での緊張感が漂う本番のパフォーマンスはさらに見ごたえがある。
その後ろで二人のジャグラーが炎を吹き出すスティックで華麗にジャグリング。
二人のジャグラーが宙を舞った炎のスティックをキャッチする度に、観客席から大きな歓声がわきあがる。
失敗すれば命に係わる危険なパフォーマンスは全て成功!
さすが日本チャンピオンのプロジャグラー達である。
同じステージ全く異なる高度なパフォーマンスが同時に行われているのに、観ている方は何の違和感も覚えない。だからこそ彼らの演技に引き込まれ、心から楽しめるのだろう。
そんなヒノカグヤは、大道芸ワールドカップ初出場。
同じ事務所に所属する4人の精鋭アーティストが、本大会に出場するために集結したパフォーマンスユニット。
プログラムもこの日のために用意されたと言うではないか。
また彼らは最高・最強のパフォーマンスをするために静岡に来たと言うが、その言葉通り最高・最強のパフォーマンスを披露してくれた。
日中の炎のパフォーマンスもかなり見ごたえがあるが、暗い時間は炎がより鮮明に浮かび上がってかなり迫力がある。時間が許せばどちらもご鑑賞いただきたい。
(とある広報スタッフ)
2024/11/01 07:56 PM