Festival Report フェスティバル レポート 2023

まるで人間コイン!シルホイールパフォーマンス / Kenshiro

 夏を思いだす炎天下の中、今年30回目の大道芸ワールドカップが開催された。私は、ラスベガスでも公演を行った経験もある、シルホイール日本代表Kenshiroさんを取材した。

 Kenshiroさんは、バク転等のアクロバティックな演技に加え、直径188㎝、重さにして15㎏のシルホイールと言われる鉄製の輪を使い、公演を行うアーティストだ。

 シルホイールのパフォーマンスの中で、Kenshiroさんはシルホイールに体を預けひとつの輪となっていた。その動きはあたかも卓上で回転するコインのようで、私を含め観客の目はその動きに釘付けだ。

 中でも一際目立ったのは、バックスピンと呼ばれる日本の中で2人しかできないという高難易度のパフォーマンス。シルホイールの中で仰向けになり、地面すれすれで回転を行う。体と地面が当たりそうで当たらないギリギリの演技は、観客を大いに熱狂させた。



 そして公演の終盤の4分間には、ラスベガスで行ったシルホイールのダンスが披露された。情緒的な音楽の中、シルホイールと一体となったり、シルホイールを生き物のように動かしたりする迫力のある名演であった。

 こうしてパフォーマンスが終了した。私は取材ということを忘れ、ただKenshiroさんに夢中になっていた。会場からも、地鳴りのような拍手が沸き起った。公演が終了し、Kenshiroさんは気さくに取材にお答えくださった。

 「普段行っている屋内公演と異なり、持ち時間が長く演技の構成に苦労しました。静岡の大道芸ワールドカップは、たくさんのお客様に恵まれてパフォーマーとしてこの上なくやりがいを感じました。」

 実は、Kenshiroさんは半月板を損傷する大けがを負ったこともあるそうだ。その怪我から復帰し、ラスベガスで公演を行うほどに成長されたKenshiroさんのシルホイールパフォーマンスをぜひ一度見ていただきたい。

<佐>

2023フェスティバルレポート / アーティスト オンステージ
2023/11/03 04:04 PM
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