Festival Report フェスティバル レポート 2015

旅が磨いたパントマイム/わっしょいゆ~た

旅が磨いたパントマイム/わっしょいゆ~た


小学生の頃に大道芸ワールドカップin静岡を見て
大道芸人を志したというわっしょいゆ~た。
かつての小学生が憧れの舞台に立つようになって今年で三年目。
扱う道具はサイコロから一輪車まで幅広く、
なかでも得意なのはクラブ(棒を使ったお手玉)。




大道芸人としての転機が、ヒッチハイクの海外貧乏旅行。
およそ一年半、路上で投げ銭を稼ぎながら、
南米、ヨーロッパと、世界を旅していたという。

旅先の街角やお祭りで投げ銭を稼ぐのみならず、
ときには信号待ちの車の前に躍り出て、
曲芸で小銭をもらっていたというから
その芸人魂は筋金入りだ。

旅先では出会った旅芸人と技を学びあったり、
今でも旅の経験が、大道芸の糧となっている。


パントマイムを交えた水晶玉ジャグリング。
水晶玉は曲線を描いて滑らかに動くだけでなく、
突然に観客の予想の裏をかいて手のひらに隠れ、
観客の目には水晶玉は空に溶けたように映る。
そんな彼の巧みなパントマイムも、旅で磨かれたもの。

「言葉が通じない国で、どう気持ちを伝えるか。
 そこで考え、感じたことがパントマイムにいきている。
 誰かと話をするとしても、身を乗り出した姿勢で話をするか、
 あるいは一歩引いて身構えて話をするか。
 それで受け取られ方がまったく違ったものになってしまう。
 言葉だけが意味を持つわけではない」



コミカルなパフォーマンスも彼の持ち味のひとつ。
指先の動きから表情までも駆使され、
全身からあふれるような喜怒哀楽が伝わってくる。

もともと人を楽しませることが好きで、
最近では技の練習よりもショーの演出を考えるのが好きだという。

静岡で芽生えて、世界をめぐって
再び静岡に帰り着いたパフォーマンス。
ワールドカップの会場で、旅芸人の空気に触れてみよう。

2015フェスティバルレポート / 2015アーティスト オフ部門
2015/11/01 08:50 AM
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