Festival Report フェスティバル レポート 2014

からだで語るマイムアーティスト/バーバラ村田

雨がしとしとと降る中、「かたわれ」のパフォーマンスが始まる。
道行く人の足を止め、ひとときロマンチックな世界に誘っていく。


雨が降り注ぐステージには、黒いドレスに黒い布で目を隠し、
白いマスクを被ったバーバラ村田一人。




すぐ近くにあるのに、実はよく知らない自分。
本当の自分って一体何なんだろう?
自分の中のもう一人の自分?
自分の中にいる誰か?
誰かの中にいる自分?
そんな葛藤をマスクを使って表現していく。

一見普通の仮面だが、バーバラが持った途端に
表情がどんどん変化していく。





最初に一つの存在であったものから大きな苦しみを経て
もう一つの人格が分離し、二つの存在として対峙し、
激しく争い、求め合ったあげく、最期にまた一つに戻っていく。。。。
まるで一本の映画を見ているように。


この独特な世界観はどのように作り上げられたのか?

10年前に友人に自分の顔面をかたどった仮面を作ってもらう機会があり、
それから仮面を使ったパフォーマンスを始めたという。

舞台『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』、漫画『半神』などの作品に触れ、
自分の中のもう一人の自分、コンプレックスについて深く考え始める。

それからいろんな影響が積み重なって今のパフォーマンススタイルに至る。


今回は雨でもできるパフォーマンスだったが、天候によって演目が変わる。
「かたわれ」とは違った彼女の一面が見れるかもしれない。


是非、この異世界に迷い込んでみては?


(ゆっか)

2014フェスティバルレポート / 2014アーティスト オン部門
2014/11/01 05:12 PM
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