Festival Report フェスティバル レポート 2016
鮮やかなジャグリング/天平
日本が誇る天才ジャグラー、天平のジャグリングショーが今年も大道芸ワールドカップを彩った。
ボールやクラブ、ディアボロにリングなど多彩なジャグリングの道具が天平の手にかかると華麗に宙を舞う!!
特に彼が得意とするデビルスティックが自由自在に操られるその姿に会場の視線は釘付け、観客はそろって息を呑み歓声を上げ大いに盛り上がった。
「自分のためにわざわざ待っていてくれる人や遠くから来てくれる人にステージを見て楽しんでもらいたい」ということを常に念頭に置きパフォーマンスをする姿は、ステージを見つめる観客の誰をも魅了していたといっても過言ではないだろう。
また、今年は新たな取り組みとしてナイトパフォーマンスで桔梗ブラザーズとのコラボレーションをしたのだがその観客の中には四時間以上も前から並んでくれている人もいたという。
そんな経験を通して語られた「これからも自分を待ってくれている人のため、応援してくれる人のために新たなことに挑戦していきたい」という彼の言葉に期待が募るばかりだ!!
(べさき)
2016/11/06 03:50 PM
世界を旅するヨーヨー使い/ナオト
ヨーヨーアーティストのナオトさんは、ドイツを拠点にグローバルに活動しています!
子どもの頃のヨーヨーブームで、ヨーヨーに出会ってから、ヨーヨーを続けて19年になります。
ヨーヨーが好きすぎてその為にサーカスアーティストのための学校にも通いました。
彼の演技は圧巻の一言に尽きます。本来手に収まるような小さなヨーヨーを使いつつも大きなアクションで観客を魅了していました。
曲に合わせた彼のショーは、楽曲により全く違う動きで、その場の空間を色とりどりに演出していました。
ナオトさんに伺うと、パフォーマンスする上で、ショーの場所の空気感を壊さず、なじむように大切にするように心がけていると仰っていました。
ヨーヨーは誰でもでき、場所を選ばないおもちゃです。
技もヨーヨー自体の種類も数え切れないほどあるそうです。
その為、個性がでやすく、ナオトさんにとって自分を表現する道具でもあるそうです。
これを機に始めたい方はREWINDというヨーヨーのお店もあるそうですよ。
最後にメッセージをお願いしました。
「他のフェスティバルに行っても、海外のアーティストさんたちが静岡の大道芸は最高だと言っています。
大道芸ワールドカップでは、お客さんのほうからアーティストをリスペクトしてくれるので、楽しくパフォーマンスすることができます。
お客さんが、拍手や集中するなどそのタイミングの空気を理解してくれるのでとてもやりやすいです。
そんな大道芸が日本にあることがとても嬉しいですし、誇りに思っています。」
来年もお客さんの前でパフォーミングをしたいと意気込んでいました。
(となお・akari・サヤマ)
2016/11/06 03:41 PM
国境を越えたハンドトゥハンド/Duo AB
ウクライナの女性オーリャと日本人の男性真志のアクロバットデュエットです。
ウクライナ国立サーカスカレッジで一緒だった二人は、試した技が成功したこときっかけに組むことを決めたそうです。
また、組んでから七年の二人は結成1年目で大道芸に出場、一昨年からON部門に選ばれました。
彼らはアクロバットだけではなく、巨大風船などを使ったパフォーマンスを行い、笑いを巻き起こしてました。
photo by Atsumi
そして磨きあがれた肉体で、息を呑むようなハンドトゥハンドも披露してくれました。
オーリャと自分を両方手だけで支える真志の姿は観客に感動を与えました。
photo by Atsumi
また、いすを使ったパフォーマンスでは、机の上にいくつものいすを重ね、その上で逆立ちをするというスリリングなものでした。
観客は息を止めて見守り、技が決まったときに盛大な拍手を送ってました。
photo by Atsumi
お互いの出身が違うため、文化の違いで驚くことがたくさんあるそうです。
生活面ではもちろん、日本でよく行われる外のパフォーマンスには最初は慣れなかったそうです。
二人はもともと'Duo Abimanola' という名前で活動していたが、みんなに名前が言いにくいユニットとして覚えられるのではなく、
しっかり覚えてもらいたいということで 'Duo AB' と二年前から変えたそうです。
静岡の大道芸の感想を聞いたところ、
「静岡の人は大道芸に慣れてる。同じ『大道芸語』が通じる。リアクションがよく、やりやすい。」と伝えてくれました。
もともとは結構まじめな演目を行ってた二人は子供からも楽しんでもらえるように少しふざけた内容も取り入れたそうです。
確かにパフォーマンスを見ていた観客には小さい子もたくさんいて、幅広い年齢層から楽しまれてることがよくわかりました。
6歳からアクロバットをやっているオーリャと高2でジャグリングを始めてそこからアクロバットに切り替えた真志。
国の違う二人が出会ったのは奇跡としかいえません。
そして二人が出会ったからこそたくさんな人に笑顔を与えることができたのだと思います。
photo by Atsumi
笑いもスリルもある二人のパフォーマンスを見る機会があったらぜひ見てください!
(フジ)
2016/11/06 02:33 PM
"Simple is the best" ~池田洋介~
池田洋介のパフォーマンスは、活字のモノローグで始まる。
「シネマパラダイス」の美しい旋律が響く中、物言わぬ活字から胸が痛くなるような切ないフレーズが次々とこぼれ落ち、しんと静まり返った観客がかたずを呑んで見守る中静かにモノローグが終わると、リズミカルなミュージックに乗せて彼の動作が速くなる。
メトロノームの規則正しい響きにぴたりと動きを合わせたパントマイムは、まったく無駄がない。にもかかわらず、どこか遊んでいるかのようなユーモアたっぷりの演技で子ども達を爆笑の渦に巻き込む。
プレート、ボックス、パラソルなど小道具を駆使したマイムに、3つの帽子がふわりと宙を舞い踊るハットジャグリング。美しい音楽をBGMに彼の動きは緩急交えながらよどみなく続き、やがて最大の見せ場である"Hello Goodbye"が始まる。
"Hello Goodbye"は、彼が世界デビューするきっかけとなったパフォーマンスだ。
ビートルズの名曲に乗せて彼の手の上で操られる活字達は、まるで生きているかのように自在に踊りだし、観ているこちらまで一緒に踊りたくなる。そんな言葉と戯れるかのような楽しい時間の後、今度は冒頭と同じモノローグが逆の順番で始まり、幕が静かに閉じた。
"Simple is the best."
ありふれた日常の風景にヒントを得た彼のパントマイムはとてもシンプルでわかりやすい。そして極限まで簡素化された動作がかえってすがすがしく美しい。さらにBGMで流れる名曲の旋律がさらに美しくステージを彩り、観客はまるで清流で心も体も洗い流されたような心地よい余韻に浸るのだ。
そんなシンプルで美しい池田洋介の極上のパフォーマンスをぜひお見逃しなく!
Written by Atsumi
2016/11/05 07:32 PM
空間を支配するエンターテイナー/ZANGE
お名前のインパクトが強い大阪出身のアーティストZANGEさん。
その言葉の響きの通り、“懺悔”に由来しているそうで、もともとダンスや芸の道を大反対していたお父様の
反対を押し切って、この道に進んだことへの懺悔の気持ちが込められているそう。
(今ではすっかりお父様も応援してくれてるとの事でした。よかった!ホッ!)
もともとはダパンプやダンスパフォーマンスグループPaniCrewに憧れてダンスを始めたのはきっかけで、
やっていくうちにダンスの観客だけでなく
沢山の客層を魅了したい!いう強い思いからパントマイムやジャグリングなど他の技にも磨きをかけ、今のスタイルを
確立されたそうです。
そんな基盤を持つ彼のパフォーマンスでは、まず柔軟性に驚くこと間違いなし!
信じられないような体勢や動きが次々に目の前で繰り広げられます。
写真で伝わるかどうか…
絶対目の前で見るべき!
そして水晶玉を使ったパフォーマンスでは目を離さずにはいられないはずです。
まるで彼の手に水晶玉が吸い付いているみたい!
あっという間にその場が不思議ワールドになってしまいました!
11月3日にお誕生日を迎えたばかりというZANGEさん。
既に来期を見据えて、みなさんに向けてこんなメッセージをいただきました。
「来年もお会いできるのを楽しみにしています!一緒に誕生日を来年もお祝いしてください!」
まだ明日も彼のパフォーマンスは予定されていますから、ぜひご覧くださいね!
(タキ)
2016/11/05 06:24 PM
飛び交うピン/桔梗ブラザーズ
世界大会で五度入賞、シルク・ドゥ・ソレイユに公式登録されてるトップクラスのジャグラー、桔梗ブラザーズ。
大道芸10年目のベテランさんが今回もジャグリングで観客を魅了してくれました。
実の兄弟である桔梗ブラザーズはボール、ディアボロなどさまざまな道具を使ってジャグリングパフォーマンスを行ってます。
どのパフォーマンスもスピードが速く、難易度がとても高いです。
ジャグリングを始めたきっかけは二人の兄の文化祭でジャグリングの道具をさわったことだそうです。
今回のパフォーマンスでも息ぴったしなジャグリングを行ってくださいました。
二人の間をジャグリングのぴんがすごい勢いでとび、観客がみんな目を輝かせて見てました。
動き一つ一つに無駄がなく、まさに一心同体でした。
そして最後の5分。世界を魅了した、精密なクラブパッシングを披露してくれました。
低い姿勢の二人の間を飛び交うピンは瞬きをしたら見えないほどの速さでした。
盛大の拍手の後、まさかのアンコール。
そこではまだ練習して半年の11本のピンを使ったクラブパッシングを行ってくださいました。
ピンの数に圧倒されてる観客を前に、二人は何度目かで成功させました!
クラブパッシングで一番大変なところは外でやるときに風や太陽など自然の環境だということだそうです。
変化する環境の中、このチームワークのよさでパフォーマンスをこなせるのは家族であり、
一緒にいる時間が長いからこそお互いのことがよくわかる、この二人だけだと思います。
また、20分前から待っていてくれて、ウェルカムしてくれるのは、静岡の大道芸だけだそうです。
最後に、メッセージをお願いすると、
「毎年ありがとうございます。今年でここにくるのが10年目になりますが、もっと頑張りたいです。
明日はアピタでパフォーマンス行うので是非きてください。」
と伝えてくれました。
心を動かされるジャグリングだと思うので是非見てください!
2016/11/05 06:17 PM
絶妙な世界観から抜け出せない!/加納真実
強い日差しの中、彼女の登場を待つ多くの人たち。
もの悲しいリコーダーの音が会場に響き渡った瞬間、雰囲気は一変。
哀しくもあり、愉しくもあり、どこか懐かしさを感じさせる不思議な世界観に、観客は引き込まれます。
今年で11回目となる大道芸ワールドカップの出場。
青ジャージがトレードマーク、シュールな加納真実のパフォーマンスは、一度観たら忘れられないほどの中毒性があります。
そんな加納ワールドに虜になってしまったファンも多く、メニューが発表されるたびに歓声が上がるほど。
観客を巻き込んで繰り広げられる加納ワールドに、会場は笑いの渦に飲み込まれます。
最後は踊り狂う仮面姿の加納真実。
彼女はステージ上にお客さんを連れ込み、仮面姿へと変貌させてしまいます。
さらに、お客さんがお客さんへと仮面を伝染させ…!?
おもしろおかしく、狂気じみた光景に、会場は大盛り上がり!
観るたび新鮮に映り、新しい発見がある彼女のパフォーマンスですが、ご本人は「私はずっと何も変わらず、年を取っていっているだけ」と言います。
最近では海外でも活動をおこなっており、その反応もなかなかとのことで、今後の活躍も期待されます。
今日を入れて残り2日。来場される方にメッセージをお願いすると、笑顔で「気が向いたら来てください」と、ここでも彼女らしい回答が。
最終日もシュールな笑いを提供するとのことです。
日常を彩る少しのスパイスに、彼女の笑い、いかがでしょうか?
chipico
2016/11/05 05:23 PM
新世代のポールSYO!/パフォーマーSYO!
子供のころ、初めて大道芸を見たときから、ずっと大道芸にあこがれ、
今では世界チャンピオンになるとほどに成長した、パフォーマーSYO!
14歳でアーティストデビュー、大道芸ワールドカップには16歳のときから出場しています。
そして去年、バンコクで行われた世界大会で優勝し、世界でも認められるアーティストとして
今年静岡に帰ってきました。
大道芸では、バランス芸、ジャグリング、ポールでのパフォーマンスなどを披露してくれます。
バランス芸では、バランスをとりながらけん玉をします。風の強い中でも見事に成功させます!
たいまつに火をつけヘリコプター、扇風機、チェーンソーをジャグリングします。
ヘリコプター、扇風機、チェンソーのジャグリングが見たい人はぜひ行くべきです!
そしてこの大道芸の1番の見せ場は、ポールでのパフォーマンスです。
観客のお兄さん方もお手伝いとして呼ばれポールをたてていきます。
SYO!さんは、ポールに登り華麗なポーズを見せてくれます。
最後は、ポールの1番上の板で3本のたいまつに火をつけジャグリングをします。
そして観客も驚く火吹き。とても大きく炎が燃え上がります。
SYO!さんは口の中に火のついたたいまつを入れパフォーマンスは終了です。
SYO!さんにインタビューしてみたところ、今後の目標は、大道芸ワールドカップのワールド部門に出場すること。
また海外で英語でパフォーマンスしてみたいとのことです。
大道芸ならではの空気にこだわり、笑いのトークで場を盛り上げ観客を楽しませるSYO!さんをご覧あれ!!
イケメンですよっっっ☆
(いずみこ、Marine、lapin)
2016/11/05 05:11 PM
シャべラー/三雲いおり
毎年静岡を高度なジャグリングとユニークな話術で笑いの渦に巻き込む、通称「シャべラー」三雲いおり。
今年も彼のパフォーマンスを観ようと、始まる20分も前から場を埋め尽くすほどの大勢の観客が集まった。
彼が登場した場面ではすでに観客は期待で笑顔を浮かべいる。三雲いおりへの期待感が高いことが伺える。
今回一風変わった、まるでどじょうすくいの様ないでたちで登場し、訛った口調で老若男女問わず笑いを誘い込む。
観客を巻き込むスタイルも、毎回展開が変わって飽きることはない…
そしてレベルの高いジャグリングで場を圧倒させ、話術で観客との一体感を生みだす「シャベリング」に目が離せないだろう。
ブログを拝見し「大道芸が近づき、2、3日前から悪夢に脅かされる」と書かれていた。
その真意について質問したところ、祭が近づき気持ちが高ぶるとそういう夢を見るそうだった。
しかし、W杯が始まってからはそうした夢は全く見なくなり、今は楽しみのほうが大きいとのことだ。
長年積み重ねてきた、"味のある大道芸"をぜひご覧になってみては!?
kame
2016/11/05 05:01 PM
中国の伝統技が静岡で炸裂!
張海輪 中国雑技王は、その名のとおり中国で代々続く雑技俳優一家の4代目として生まれた。
6歳のときから芸術大学で中国雑技を学び、現在はその驚異的なバランス技で世界を魅了している。
オープニングでは赤い伝統衣装に身を包み、マスクを着けて伝統音楽に合わせて華麗な舞を披露。
舞に合わせて次々に色を変えるマスクに、観客はどんどん彼から目を離せなくなっていく。
マスクを脱ぐと今度はしなるムチを使ったパフォーマンス。
目隠しをして、観客が持つ新聞紙や花を叩き落すシーンでは思わず一同が息を飲んだ。
そして後半は、張海輪 中国雑技王のメインパフォーマンスである、椅子を使ったバランス芸。
テーブルの上に乗せた4本のガラス瓶の上に、椅子を次々と重ね、だんだん高くなる椅子の上で逆立ちをしたり開脚をしたり・・・。
重ねられる椅子が増えるたびに、観客からは「え、まだ乗せるの?!」と驚きの声が上がった。
最終的に重ねられた椅子の数はなんと6脚!
この技を習得するまでに、7年かかったという張海輪 中国雑技王。
習得して以降は、一度も失敗したことがないというのも驚きだ。
現在は日本でも多く活動の機会があるとの事で、日本語も堪能な彼は、お客さんとのコミュニケーションもばっちり!
日本語でジョークを言ったりして、緊張感のあるステージにもほっとする瞬間を与えてくれていた。
小さな2人のお子さんも中国雑技に興味を持ち、父である張海輪 中国雑技王に教えてもらっているとか。
「いつかはお子さんと一緒に舞台に立ちたいですか?」と聞くと、「一緒にかは分からないけど、中国雑技に興味を持ってくれて嬉しいよ。」ととっても嬉しそうに語ってくれた。
中国伝統の技をぜひその目でご堪能あれ!
2016/11/05 03:57 PM