Festival Report フェスティバル レポート 2015

土地に感謝 街に感謝/華千代

東日本大震災で失われた土地と街の復興を、パフォーマンスを通して見続けてきた華千代は
メッセージボードに「土地に感謝 街に感謝」と書いた。

故郷を静岡のような大道芸が盛んな街にしたい、と東北で活動する。
仙台で大道芸なんて、との冷ややかな目は、静岡の大道芸を含めたパフォーミングアートの歴史と似ている。
特に大道芸には街を作る力がある。それは人を呼び、留め、ふれあいが生まれるからだ。

小雨がぱらつく3日目最初の演技でも、そのとおりになった。

艶やかな和の衣装をまとっての舞が始まると「ほら、お姉さんが踊ってるよ」と親子連れが足を止めた。

国体出場実績のある体操に裏打ちされたアクロバットや軟体演技が決まるたびに起きる拍手はやがて大きくなり、演技の切れ間にその場を離れようとした母親の手はギュッと握られた少女の手に引き止められた。

投げ銭が始まると、子供が恥ずかしげに何人も寄って来た。

その一人ひとりと丁寧に応対した華千代は「こんなふれあいの時間がうれしい」と笑顔だった。
(うるし、宮本)

2015フェスティバルレポート / 2015アーティスト オフ部門
2015/11/02 05:26 PM
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