結果発表
人間って素晴らしい。大道芸って素晴らしい。
魅せられた4日間、改めて、人間の想像力、身体能力の凄さに驚嘆!
「フェスティバルの楽しさの追求」という原点に戻った15周年。
様々な表現スタイルのパフォーマンスに、多くの人々が酔いしれた。
ワールドカップ部門参加パフォーマーだけでなく、海外から来たオン部門、日本人パフォーマーも高いレベルのパフォーマンスを披露、年々レベルが上がっていくことを実感できた15周年でした。同時に、様々な表現を受け入れようとする、観客の感性レベルも上がってきたような気がします。それだけに、審査も難しく、審査員は頭を抱えていました。
ワールドカップ チャンピオン
アラン シュルツ Alan Sulc(チェコ・男1名 ジャグリング)
2年ぶりに会ったアランは身長も伸び、あどけなさを残しながらもちょっぴり大人になった印象を醸し出していた。そのパフォーマンスは、基本的には初見参の時と同じながらも、その正確性、スピードはさらに進化をしていた。まるで何かに操られているかのようにアランから放たれるボールは寸分狂いのない軌道を描き、彼の手に戻っていく。
どんどんボールは増えていき、いったい幾つのボールが操られているのかわからないほどのスピード感は観客をどんどん魅了していく。圧巻の9ボールに続き、世界新記録の11ボールにチャレンジする時、興奮は最高潮に達する。会場が揺れるほどの拍手、歓声、ジャグリングテクニックだけでなく、表情と身振りだけで観客を味方につけていく、そのエンターテイメント性は、これからの成長が恐ろしい位である。文句なしにグランプリ。明日6日、16歳の誕生日を迎えるアラン、コングラチュレイション。
ワールドカップ シルバー賞
ニーニョ コストリニ Nino Costrini(フランス・男1名 コメディ)
こんなに涙を流しながら、笑い転げたのはいつ以来だろう。とにかく可笑しい。これぞ、大道芸の真骨頂とも言えるニーニョ。舞台裏では、もの静かな紳士が、観客を前にした途端、最高のクラウンに変身する。瞬時に場の空気を感じとり、不思議な空間に変えていく。独特のボードを使ってのジャグリングのテクニックも凄いが、それすらがコメディに思えてくる。人を喜ばすために、常に芸と技を磨き進化し続けるニーニョ、まさにプロフェッショナルである。母のためにミニ盆栽を探し回る彼の優しさが、舞台を通じて私たちにも伝わってくるようだ。
ワールドカップ ブロンズ賞
カナコフ Kanakov(ロシア ベラルーシ・男3名 女1名 ロシアンバー)
鍛えれば、人間の身体能力とは、ここまで高まるのだろうか。いとも簡単にあの細く、不安定なバーの上に立ち、その上宙返りまでしてみせる。高度な技をいとも簡単に見せてしまうのも、やはり鍛え抜かれた一流のなせる技である。ハラハラドキドキ、青空に人間が舞う姿は圧巻である。これほどのパフォーマンスを路上で見られるのは、静岡ならではである。世界は、まだまだ広い。
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