Festival Report フェスティバル レポート 2016

観客を「観客の先」に連れて行きたい ~ココナッツ山本~

とにかくしゃべる、しゃべる、よくしゃべる!
マシンガントークを通り越してもはやトークの雪崩!
ココナッツ山本のパフォーマンスはそんな爆裂・爆笑トークを抜きには語れない。



フレンドリーな笑顔をたたえながらそこにいるありとあらゆる人に声をかけ、言葉巧みに人々を自分のペースにまんまと乗せてしまう、アドリブ満載のトーク力とコミュニケーション能力は脱帽もの。



加えて、ジャグリング、テーブルクロス引きなど、確かな技術に裏打ちされたパフォーマンスで観客を沸かせながら、レンズを向けられるとしっかりカメラ目線でフレームに収まる余裕があるのがまた小憎らしい。このアーティスト、ただ者ではない。




観客の中から力のありそうな男性4人を選び、彼らにポールを支えてもらいながら次々とアクロバティックな技を繰り出す、最大の見せ場にして危険が伴うポールダンスでも、その口が止まることは一切なく、相変わらずきわどい爆裂トークをポンポン飛ばしながら難易度の高いアクロバットを難なくこなす。その余裕は一体どこから来るだろうのか。やっぱり彼はただ者ではない!



ココナッツ山本は本来はコメディーを得意とする演劇人だ。
「フリースタイルコメディ」をソロで始めたのは1年ほど前だが、これまではチームとして共同作業でやってきた事を全部凝縮して自分でやるのだから大変だ。しかしそれすらも彼は楽しさに変えてしまう。



「体も演出のひとつ」と本人が言うように、30分という時間の中で体のパーツのいたるところまでフルに使って最高に面白いコメディーをを次から次へと繰り広げる。もちろんラストのオチもばっちり♪その間口のほうも絶えず動いているというのだからそりゃあもう忙しい事この上ない。



しかし、「観客を『観客の先』に連れて行きたい。ショーは観客と一緒に作るものだ」という信念のもと、彼はその爆裂トークを引っさげてどこまでも突き進む。そしてどこまで行くのかは誰にも、おそらく本人にも予想がつかない。でもそれでいいのだ。



カシオ EX-FR200で撮影

「なんだかよくわからないけどむちゃくちゃ面白い!」それこそがココナッツ山本の最大の魅力なのだ!

最後に。
5人の男たちの熱い共同作業であるポールダンスパフォーマンスはフェス限定。ぜひお見逃しなく!

Written by Atumi/HIRO

2016フェスティバルレポート / アーティスト フリンジ部門
2016/11/04 04:52 PM
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