Festival Report フェスティバル レポート 2016

個性あふれる14人の「エンジェル」達 ~スパカンファン~

大道芸ワールドカップ最終日の6日、プレミアムステージに程近い「メイン広場2」で、14人の中高生による「スパカンファン」のダンスパフォーマンス、「エンジェル」が華やかに上演されました。



これは、SPAC(静岡舞台芸術センター)による国際共同制作プロジェクトで2010年に始まったものですが、フランスを拠点に世界的に活躍するメルラン・ニヤカム氏(振り付け師・ダンサー)を迎え、世界に通用するメッセージを持ったダンス作品を目指す本格的なプロジェクトです。メンバーは静岡県内の中高生の中からオーディションで選ばれています。

舞台の上では個性あふれる14人の「エンジェル」達が体全体を使ったキレのよいダンスを披露。SPAC主宰の宮城さんがおっしゃるところの「これからの世界を作る未来のある人」らしい希望に満ちあふれた無邪気な笑顔でステージの中を縦横無尽に飛び回り、弾けんばかりの笑顔で素晴らしいダンスを披露してくれました。



「世界は広いんだ」「自分を好きになろう」

時に息苦しさも感じながら今を生きる子ども達が、周囲に押しつぶされる事なくポジティブな気持ちで未来に希望を持ってほしい。このプロジェクトにはそんな強い願いが込められています。

出演した中高生達にもインタビューをしたところ、学校の運動部と両立している子、ダンスとは全く縁がなかった子、ブレイクダンスヒップホップダンスが得意な子、あるいは以前からバレエを習っていてオーディションの際には自分の個性を出すように心がけた子など、その背景は実に様々ですが、共通していたのは踊るのが好きだという事、そして将来はスパカンファンでの経験を生かしてダンスやパフォーマンスの世界を視野に入れているという事です。中にはすでにNYへのダンス留学が決まっていて、夢への階段をのぼり初めている子もいました。



キラキラと目を輝かせながらテキパキとこちらの質問に答える子ども達を見ながら、私達大人はこの子たちが現実に負ける事なく未来に希望が持てる手助けをしなければならない。そのためには彼らの個性豊かな感性をつぶすようなことがあってはならない。そう思わずにはいられません。

なお、このプロジェクトは基本的に2年単位で舞台を作っていくため、2年ごとにプログラムが変わり新たにオーディションが行われています。今年は「エンジェル」の2年目ということで、来年からの新しいプログラムに向けてオーディションが行われる予定となっています。

詳細はSPAC公式サイトをご覧ください!

Written by Atsumi

2016フェスティバルレポート
2016/11/06 02:47 PM

国境を越えたハンドトゥハンド/Duo AB


ウクライナの女性オーリャと日本人の男性真志のアクロバットデュエットです。

ウクライナ国立サーカスカレッジで一緒だった二人は、試した技が成功したこときっかけに組むことを決めたそうです。
また、組んでから七年の二人は結成1年目で大道芸に出場、一昨年からON部門に選ばれました。

彼らはアクロバットだけではなく、巨大風船などを使ったパフォーマンスを行い、笑いを巻き起こしてました。


photo by Atsumi

そして磨きあがれた肉体で、息を呑むようなハンドトゥハンドも披露してくれました。
オーリャと自分を両方手だけで支える真志の姿は観客に感動を与えました。


photo by Atsumi

また、いすを使ったパフォーマンスでは、机の上にいくつものいすを重ね、その上で逆立ちをするというスリリングなものでした。
観客は息を止めて見守り、技が決まったときに盛大な拍手を送ってました。


photo by Atsumi

お互いの出身が違うため、文化の違いで驚くことがたくさんあるそうです。
生活面ではもちろん、日本でよく行われる外のパフォーマンスには最初は慣れなかったそうです。

二人はもともと'Duo Abimanola' という名前で活動していたが、みんなに名前が言いにくいユニットとして覚えられるのではなく、
しっかり覚えてもらいたいということで 'Duo AB' と二年前から変えたそうです。

静岡の大道芸の感想を聞いたところ、
「静岡の人は大道芸に慣れてる。同じ『大道芸語』が通じる。リアクションがよく、やりやすい。」と伝えてくれました。

もともとは結構まじめな演目を行ってた二人は子供からも楽しんでもらえるように少しふざけた内容も取り入れたそうです。
確かにパフォーマンスを見ていた観客には小さい子もたくさんいて、幅広い年齢層から楽しまれてることがよくわかりました。

6歳からアクロバットをやっているオーリャと高2でジャグリングを始めてそこからアクロバットに切り替えた真志。
国の違う二人が出会ったのは奇跡としかいえません。
そして二人が出会ったからこそたくさんな人に笑顔を与えることができたのだと思います。


photo by Atsumi

笑いもスリルもある二人のパフォーマンスを見る機会があったらぜひ見てください!

(フジ)

2016フェスティバルレポート / アーティスト オン部門
2016/11/06 02:33 PM

二人で作り出すサーカスの世界/ウイッティールック

陽気な雰囲気で登場したお二人。
音楽がなり始めてショーが始まるとコミカルな動きで観客を笑わせ、
とても真似できないような演技に見る側は好奇心をかきたてられます。

一輪車をくるくると器用に乗りこなすDAIKIさんと、
柔軟かつコミカルな動きで観客を笑いに誘うCHEEKY!さん。
大道芸ワールドカップ出場経験豊富なお二人のことを
よくご存知の方も多いのではないでしょうか。
ユニットを結成する前はそれぞれで活動されていて、
その頃から本大会に出場されていたそうです。
2006年に一輪車世界大会にてDAIKIさんのフリースタイル演技を
CHEEKY!さんが演出し見事に準優勝。
この頃は期間限定のユニットのつもりが、
その後お二人での出演依頼が増え、
ユニットを正式に結成。来年で10周年を迎えるそうです。

DAIKIさんの確かな技術があるから
自分はクラウンに徹することができると
話してくれたCHEEKY!さん。
そして、実は人前が苦手と語るDAIKIさんもまた、
CHEEKY!さんのクラウンとして確立されたキャラクターがあるから
難しい技も集中してこなす事ができるんだろうなと感じました。

そして、高さ2メートル以上はありそうな一輪車での演技は圧巻です。
お二人の息のあった演技に思わず目が釘付けになってしまいます。
まさにサーカスの世界!



海外や豪華客船でのショーなどあちこち飛び回っている彼らにとって
静岡は新しいものを披露する挑戦の場なんだそう。
「静岡のお客さんは楽しむ気持ちで見に来てくれてる人が多くて
やってて楽しい」と言ってくださいました。
活躍めざましいお二人をこれからも応援していきたいですね!
(カワ・タキ)

2016フェスティバルレポート
2016/11/06 02:26 PM

驚きと笑いが止まらない!!/クロキキィブラザーズ

韓国から来た、異色のパフォーマンスで盛り上げてくれるのは、クロキキィブラザーズ。

ダンスあり、笑いあり、そして、驚くような絵の技術で観客を魅了してくれる。

テンポよく進んでいくパフォーマンスは、本当にあっという間!




初めは、何を描いているかわからない絵が、急に形になる瞬間は圧巻だ。私達の脳にも絶対いいはず!

子供の頃から絵が好きだったという彼らの絵は、短時間で仕上げているのが信じられないほど、視覚に訴えるものがある。



もともと、2人はそれぞれ、ダンスアーティスト、コメディアーティストとして活動していたが、あるイベントで意気投合。以来、2人で活動するようになったとのこと。

息ぴったりの秘訣を彼らに聞いてみた。

「練習も大切だが、研究に時間をかけている。」

笑いの中にも緻密な計算があるようだ。

観客の笑いを誘う場面は数々あるが、印象に残る彼らのダンスは必見!

一度みたら虜になるこのダンスは、世界どこでも大人気だという。

日本の印象は、道路がきれい!

大道芸の印象は、お客さんの目が肥えている!

なぜそれがわかるかというと、見ている人の姿勢が他とは違うそうだ。

韓国の他のアーティストに、大道芸ワールドカップがすごいと聞いていて、今回来てみてその意味がわかったとのこと。

彼らのリズミカルでハイクオリティなダンスペインティングパフォーマンスをお見逃しなく!!

(Maikoh/コロスケ/NARU)

(Photo by H. Shinohara)

2016フェスティバルレポート
2016/11/06 12:07 PM

海外ディレクターとアーティストが出会う場 ~ラウンドテーブル~

大道芸ワールドカップ3日目・11月5日の夜に、海外ディレクターとアーティストが出会いの場である「ラウンドテーブル」が、市中心部のカフェで行われました。



コーヒーの香り漂うおしゃれな空間では、国内外の出場アーティストと世界で名高い海外フェスのディレクターが入れ替わり立ち替わりテーブルを行き来しつつ、プロフィールなどの資料やパフォーマンスの様子が映った写真・映像を前に和やかながら熱のこもったやりとりを繰り広げ、実に活気あふれる雰囲気に満ちていました。

これはいわゆる「パフォーマンスの見本市」の一種で、韓国など海外ではかなり大規模で行われています。けれども日本ではまだ認知度が低くそのような催しはほとんどないため、今年「大道芸ワールドカップ in 静岡」が25回の節目を迎えたのを機に、開催地である静岡市の協力を得て公式に開催される事になりました。

そんなパフォーマンスの見本市・「ラウンドテーブル」は主に次のような趣旨で行われます。

1.日本人アーティストが海外のディレクターに自分のパフォーマンスをPRする
2.海外のディレクターが優れた日本のアーティストを発掘する
3.日本人アーティストが海外で行われるフェスティバル情報を知る
4.出場アーティスト間のコミュニケーションを図る

今後この催しは毎年大会期間中に開催される予定となっております。



ここ静岡での出会いを機に世界に羽ばたく日本人アーティストが増え、この静岡により多くの世界中のアーティストが集まる事で大道芸ワールドカップがさらなる発展を遂げる。
それが市民ボランティアをはじめとする関係者一同の心からの願いです。

Written by Atsumi

2016フェスティバルレポート
2016/11/06 06:27 AM

"Simple is the best" ~池田洋介~

池田洋介のパフォーマンスは、活字のモノローグで始まる。



「シネマパラダイス」の美しい旋律が響く中、物言わぬ活字から胸が痛くなるような切ないフレーズが次々とこぼれ落ち、しんと静まり返った観客がかたずを呑んで見守る中静かにモノローグが終わると、リズミカルなミュージックに乗せて彼の動作が速くなる。



メトロノームの規則正しい響きにぴたりと動きを合わせたパントマイムは、まったく無駄がない。にもかかわらず、どこか遊んでいるかのようなユーモアたっぷりの演技で子ども達を爆笑の渦に巻き込む。



プレート、ボックス、パラソルなど小道具を駆使したマイムに、3つの帽子がふわりと宙を舞い踊るハットジャグリング。美しい音楽をBGMに彼の動きは緩急交えながらよどみなく続き、やがて最大の見せ場である"Hello Goodbye"が始まる。



"Hello Goodbye"は、彼が世界デビューするきっかけとなったパフォーマンスだ。
ビートルズの名曲に乗せて彼の手の上で操られる活字達は、まるで生きているかのように自在に踊りだし、観ているこちらまで一緒に踊りたくなる。そんな言葉と戯れるかのような楽しい時間の後、今度は冒頭と同じモノローグが逆の順番で始まり、幕が静かに閉じた。



"Simple is the best."
ありふれた日常の風景にヒントを得た彼のパントマイムはとてもシンプルでわかりやすい。そして極限まで簡素化された動作がかえってすがすがしく美しい。さらにBGMで流れる名曲の旋律がさらに美しくステージを彩り、観客はまるで清流で心も体も洗い流されたような心地よい余韻に浸るのだ。



そんなシンプルで美しい池田洋介の極上のパフォーマンスをぜひお見逃しなく!

Written by Atsumi

2016フェスティバルレポート / アーティスト オン部門
2016/11/05 07:32 PM

永遠の憧れ/June bride(ジューン ブライド)


June brideを探して歩いていると、人が集まっているのを見つけました。

そこには、June bride、そしてその前に小学生くらいの女の子が何人も!

交代で、June brideの左手にピンクの石のついた指輪をつけていました。


子供たちはスタチューを驚いて怖がることが多いそうですが、花嫁のJune brideは違います。
怖がることは無く、むしろ笑顔になってくれることが多いそうです。


お客さんのいない場でこっそり伺うと、June brideとなっている彼女も、以前、この静岡の大道芸で観たパフォーマンスに憧れて、パントマイムを始めたそうです。

こうして、パフォーマンスする側にまわり、大道芸という場にいることを夢のようだと語ってくれました。


静岡の大道芸では小さな子をはじめ、多くの人が温かく接してくれるのでとても楽しいそうです。

「花嫁さん、おめでとう」と言われることもあるのだとか。



たとえ彼女が休憩中と札と様子で示しても、彼女は笑顔で手を振る人たちに囲まれていました。

私も彼女に指輪、つけたいな。
憧れるところから憧れの存在へ。
そんな彼女とその周りの女の子たちの明るい未来を想像してしまいました。


静岡の大道芸は今年25周年を迎えます。
憧れや夢が繋がるところ…なのかもしれません。


June brideには明日もどこかで会えますよ!

(akari)

2016フェスティバルレポート / アーティスト フリンジ部門
2016/11/05 07:01 PM

ナイトパフォーマンス変更情報

本日(11/5)、19:15~19:45に、「(16) キタムラヤ前」でのパフォーマンスを予定していた「(78) BMX Performer YUYA」は、時間と場所を変更し、19:45~、「(24) 青葉B5」にてパフォーマンスを行います。

2016フェスティバルレポート
2016/11/05 06:56 PM

空間を支配するエンターテイナー/ZANGE

お名前のインパクトが強い大阪出身のアーティストZANGEさん。
その言葉の響きの通り、“懺悔”に由来しているそうで、もともとダンスや芸の道を大反対していたお父様の
反対を押し切って、この道に進んだことへの懺悔の気持ちが込められているそう。
(今ではすっかりお父様も応援してくれてるとの事でした。よかった!ホッ!)
もともとはダパンプやダンスパフォーマンスグループPaniCrewに憧れてダンスを始めたのはきっかけで、
やっていくうちにダンスの観客だけでなく
沢山の客層を魅了したい!いう強い思いからパントマイムやジャグリングなど他の技にも磨きをかけ、今のスタイルを
確立されたそうです。
そんな基盤を持つ彼のパフォーマンスでは、まず柔軟性に驚くこと間違いなし!
信じられないような体勢や動きが次々に目の前で繰り広げられます。
写真で伝わるかどうか…





絶対目の前で見るべき!
そして水晶玉を使ったパフォーマンスでは目を離さずにはいられないはずです。
まるで彼の手に水晶玉が吸い付いているみたい!



あっという間にその場が不思議ワールドになってしまいました!
11月3日にお誕生日を迎えたばかりというZANGEさん。
既に来期を見据えて、みなさんに向けてこんなメッセージをいただきました。
「来年もお会いできるのを楽しみにしています!一緒に誕生日を来年もお祝いしてください!」
まだ明日も彼のパフォーマンスは予定されていますから、ぜひご覧くださいね!



(タキ)

2016フェスティバルレポート / アーティスト オン部門
2016/11/05 06:24 PM

飛び交うピン/桔梗ブラザーズ

世界大会で五度入賞、シルク・ドゥ・ソレイユに公式登録されてるトップクラスのジャグラー、桔梗ブラザーズ。
大道芸10年目のベテランさんが今回もジャグリングで観客を魅了してくれました。

実の兄弟である桔梗ブラザーズはボール、ディアボロなどさまざまな道具を使ってジャグリングパフォーマンスを行ってます。
どのパフォーマンスもスピードが速く、難易度がとても高いです。
ジャグリングを始めたきっかけは二人の兄の文化祭でジャグリングの道具をさわったことだそうです。

今回のパフォーマンスでも息ぴったしなジャグリングを行ってくださいました。
二人の間をジャグリングのぴんがすごい勢いでとび、観客がみんな目を輝かせて見てました。
動き一つ一つに無駄がなく、まさに一心同体でした。

そして最後の5分。世界を魅了した、精密なクラブパッシングを披露してくれました。
低い姿勢の二人の間を飛び交うピンは瞬きをしたら見えないほどの速さでした。

盛大の拍手の後、まさかのアンコール。
そこではまだ練習して半年の11本のピンを使ったクラブパッシングを行ってくださいました。
ピンの数に圧倒されてる観客を前に、二人は何度目かで成功させました!

クラブパッシングで一番大変なところは外でやるときに風や太陽など自然の環境だということだそうです。
変化する環境の中、このチームワークのよさでパフォーマンスをこなせるのは家族であり、
一緒にいる時間が長いからこそお互いのことがよくわかる、この二人だけだと思います。

また、20分前から待っていてくれて、ウェルカムしてくれるのは、静岡の大道芸だけだそうです。

最後に、メッセージをお願いすると、
「毎年ありがとうございます。今年でここにくるのが10年目になりますが、もっと頑張りたいです。
明日はアピタでパフォーマンス行うので是非きてください。」
と伝えてくれました。

心を動かされるジャグリングだと思うので是非見てください!

2016フェスティバルレポート / アーティスト オン部門
2016/11/05 06:17 PM
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